夏休みに入って、お子さんが1人で、遊びに行く機会も増えたのではないでしょうか。
警察庁のデータによると、13歳未満の子どもに対する犯罪は、年々減少しています。
しかし、誘拐や性犯罪に関する割合は年々増えており、平成30年には1000件以上の被害が報告されています。
わが子に、もしものことがあったらと思うと不安ですよね…。
そんな不安から子どもに「不審者に気をつけて!」と教えていませんか?
ですが、実はその教え方はもう古いんです!
犯罪学のスペシャリストである小宮信夫教授に、子どもを守るために親ができる正しい防犯について、お聞きしました。
不審者は、見た目で判断できない
テレビやネット、学校で行なわれる防犯教室でも、「不審者に気をつけましょう。」とよく言われますよね。
さて、「不審者」と言われたときに、みなさんはどんな人を頭に思い浮かべますか?
多くの人がこんな人をイメージするのではないでしょうか。
しかし、小宮教授によると、このような格好をしている不審者は10%以下だそうです。
昔は顔を隠すために、サングラスをかけ、マスクをしている不審者が多くいたのかもしれません。
しかし、最近の犯罪者は、子どもに警戒心を抱かせないように普通の格好をしているのです。
ですから、私たちが見た目だけで判断することは不可能ではないでしょうか。
子どもが不審者についていかないためには
先ほど記した通り、不審者を見た目だけで判断するのは難しいです。
では、子どもが自分の身を守るために、親はどのように教えるべきでしょうか。
小宮教授は、もっと良い教え方があると言われています。
子どもを守るために親ができること
皆さんは子どもに「変な人について行っちゃだめよ!」と教えていませんか?
実はその教え方はあまり効果がないそうです。
犯罪者は言葉巧みに子どもを騙すことが多いからです。
「こっちに可愛い猫ちゃんがいるよ!あ。こっちにもいるよ!」と言って誘い出します。
しかし子どもは、不審者とは思わずに「可愛い猫を見せてくれる親切な人」と判断して、ついていってしまうのです。
だからこそ「変な人について行っちゃだめよ!」という教え方では不十分です。
では子どもに対して、親ができることはなにか、小宮教授にお聞きしました。
このロールプレイングをすると、子どもの記憶に強く残ります。
そのあとに同じことをしても、もう騙されません。
日ごろから子どもに、さまざまなシチュエーションでロールプレイングをしていきましょう。
騙されることに対しての免疫ができます。
そのおかげで、実際に誘拐犯に連れ去られそうになっても、「この人は私を騙そうとしている人だ」と気づけるようになるのだそうです。
防犯ブザーは意味がない?
先ほど記した通り、子どもは犯罪者に騙されてついていってしまいます。
防犯ブザーを持っていても、相手を信用しているので、鳴らすことはありません。
では防犯ブザーは持っていても全く意味がないのでしょうか。
そこで、小宮教授オススメの、たとえ鳴らさなくても、効果のある防犯ブザーのつけ方をお聞きしました!
防犯ブザーの効果的なつけ方
防犯ブザーは必ず、誰が見てもわかるところにつけることが重要です。
防犯ブザーを持っていることを犯罪者に分からせましょう。
防犯ブザーは襲われたときに鳴らせば、犯罪者が驚いて去っていきます。
たとえ犯罪に巻き込まれても、その被害を最低限にすることができます。
つまり防犯ブザーは持っているだけでもある程度犯罪を防ぐ力になるそうです。
防犯ブザーを過信しない
先ほど記した通り、防犯ブザーをわかりやすいところにつけていれば、犯罪に巻き込まれることを防止してくれます。
しかし、防犯ブザーの効果が期待できるのは、いきなり子どもを襲ってくるケースだけです。
その割合はたったの20%だと小宮教授は推測しています。
子どもを騙して連れ去ろうとする犯罪者には、防犯ブザーだけでは対処できません。
ですから、防犯ブザーは持っていた方がいいですが、過信しないことが大切です。
だからこそ、子どもには実際にいろいろなシチュエーションでのロールプレイングを繰り返し行ない、身をもって教えるのが一番の防犯になります。
まとめ
今回は不審者を見た目で判断するという間違った防犯知識と、家庭で楽しみながらできる防犯の方法を紹介しました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
・不審者は見た目では判断できない
・子どもにはロールプレイングで意識づけを行なう
・防犯ブザーは見えるところにつける
次回の記事も小宮教授から正しい今の防犯について教えてもらいます!お楽しみに。
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記事の第2弾、第3弾はこちら↓