「自然災害が怖い…。」
当たり前のことかもしれません。実際、地震や豪雨はいつの時代も多くの人の命を奪っています。ですが、
「災害が起きる前から心配しすぎちゃって、疲れる。。」
「子どもや家族に何かあったらどうしよう。。考え出すと、怖くて眠れない!」
そんな方もあるのではないでしょうか? 実は、筆者の私もそうなんです。
怖い気持ちを1人で抱えるのって不安だし孤独ですよね。克服方法や対処法があるならゼヒとも知りたい。
そう思っていたところ、明橋大二先生に相談に乗っていただけることになりました!
明橋先生は国内におけるHSPの専門家で、累計500万部を超える「子育てハッピーアドバイス」シリーズなど、ベストセラーを多数執筆されています。
いわば「こころのスペシャリスト」です。
そんな明橋先生に、「不安や恐怖への向き合い方」を教えていただきます!
災害の「怖さ」や「不安」は、逃げていい
——率直にお聞きしたいんですが、災害などの恐怖心や不安を克服することってできるんでしょうか?
明橋:残念ながらね、恐怖心や不安を消すことはできないんです。「怖いものは怖い」で仕方ないんですよ。
でも、がっかりしないでくださいね。向き合い方を変えれば、ずっと楽になりますから。
怖いと感じるものから逃げる、これはけっして悪いことじゃありません。
むしろ取るべき正しい行動なんですよ。
①もしかしてHSP? 恐怖の原因はあなたの気質かも
——それって具体的にどうすればいいんでしょうか?
明橋:じゃあまず「自分自身」を知るところから始めましょうか。
災害が怖いということでしたが、具体的に何が怖いのかな?
——まず雷が怖いです。音も光も怖くて鳴り出すと気が気じゃなくなってしまいます。
それに地震も心配ですね。何も起きてない時でも不安だし、起こった後もずっとドキドキします。私は「雷恐怖症」で「地震恐怖症」なんでしょうか。
明橋:確かに「雷恐怖症」も「地震恐怖症」も存在します。けど、あなたの場合、もしかしたら恐怖症ではないんじゃないかな。
雷が苦手だと言っていましたね。他にも、
- 「花火など、大きな音にびっくりしやすい」
- 「照明の光の強さに疲れてしまう」
こんなことはありませんか?
地震が心配ということでしたが、
- 「忘れ物をするのが怖くて、何度も荷物を確認してしまう」
- 「大勢で遊んでいると、全員がちゃんと楽しめているか気になる」
といったように、他の局面でも気を配りすぎて疲れてしまうことはありませんか?
——すごい! おっしゃる通りです! ですが恐怖症じゃないとしたら、一体何なんでしょうか?
明橋:HSPという言葉を聞いたことありますか?
ひといちばい敏感な気質の持ち主のことを、HSP(Highly Sensitive Person)といいます。
あなたの恐怖心・不安の原因は、持ち前の「ひといちばい敏感な気質」にあるかもしれません。
HSPには他にこんな特徴があります。
明橋:重要なのは、HSPは病気ではないということです。生まれ持った気質に他なりません。
それに対して、恐怖症とは、ある対象に対してのみ、強い恐怖を持つ病気で、こっちは治療が必要になってくるんですね。
HSPは、持ち前の敏感なセンサーによって、刺激を受け取りすぎてしまい、ストレスを感じてしまうことがよくあります。
自然災害に対する人並み以上の恐怖も、HSPだからかもしれませんね。
ですけど、反対に、鋭い感性で味や音の微かな違いを感じ取ることができたり、景色や芸術に対して深く感動することができるのもHSPの感性ならではです。
つまり、ひといちばい敏感な気質は、あなたの素晴らしい能力でもあるんですよ。
しんどいこともあるけれど、嬉しいこともたくさん見つけられるのがHSP。大事なのは自分の気質とうまく付き合っていくことです。
「HSPについてもっと知りたい!」という方はこちらの記事をご覧ください!
②デマやウソに惑わされない! 上手な情報収集でグッと楽に
明橋:では、次に「怖い対象」についてです。
万全な準備をしておくことは、やはり安心に繋がります。怖いかもしれないけど、勇気を出して「怖い対象」に向き合って備えていきましょう。
簡潔にいうと、こうです。
ただでさえ色々なことを感じ取れるHSPですから、ウソの情報にまで気を配っていたらパンクしてしまいます。
——「正しい情報を得て、正しく怖がる」。うーん、理屈はわかるのですが、難しいですね。正しい情報を得るって結構ハードルが高いと思うんですが…。
明橋:そうですね。でも少し工夫をするだけで、情報収集がぐっと上手になりますよ。
正しい情報を得る上で、もっともやっていけないことは、インターネットでたくさん調べてしまうことです。
インターネット上には、正しい情報もウソの情報も、全く同じように並んでいますから。
たとえば東日本大震災の時、ネット上には様々なデマ情報が流れました。
「◯◯の製油所が爆発したので、有害物質が放出されている」などなど…こんなこと聞いたら不安になってしまいますよね。
それに、情報量の多さ自体もHSPを疲れさせてしまうんです。
国や自治体、NHKなど、信頼できる情報源のみに頼り、あなたの慎重さは正しい情報だけに活かしましょう。
そうして、「正しく怖がること」が必要なんですね。
おすすめサイト
・気象庁(気象庁のサイト)
・NHK(NHK NEWSWEB 気象・災害情報)
明橋:それから、災害が起こった時に情報を得る手段(ラジオや信頼できるアプリ)を日頃から用意しておくことも大切ですよ。
おすすめアプリ
- Yahoo! 防災速報
- NHKニュース・防災
——なるほど、ありがとうございます!「正しい情報を得る方法」はよくわかりました。
けど、もう1つ気になることがあって…。
「調べること自体が怖くてイヤ…どうしたらいい?」
——災害の情報って怖いしショッキングじゃないですか。備えたい気持ちはあっても調べるのがすごくしんどいんです。どうしたらいいんでしょうか。
明橋:HSPは、音や光などの物理的な刺激の方にも、他人の苦しみや悲しみといった感情にも共感してダメージを受けてしまいます。
そんなHSPにとって、災害について調べることはそれ自体がストレスになってしまう場合がありますよね。
そんな時は、ぜひこうしてみてください。
先ほど紹介したような媒体から正しい情報を入手したら、あとはシャットアウトしてしまって構いません。
HSPに限らず、災害についての情報収集は「量より質」です。
正しい情報から、正しいことだけを怖がり、あとの情報は切り捨ててしまいましょう。
シャットアウトすることはHSPの心を守るために必要なことなのです。
まとめ:気質の理解と適切な情報収集で、恐怖や不安は軽減できる
今回は「災害が実際に起こる前の不安」への対処法を教えていただきました!今回のポイントは
- 自分の気質を理解することで、刺激は回避できる。
- 「正しい情報」を得て「正しく怖がる」ことが大事!
今回明橋先生にお答えいただき、怖いものとどう向き合えばいいのかがよくわかりました!
HSPという言葉を知って、悩みやすい自分の正体にも気付けてスッキリしましたね。
次回の記事では「実際に起こってしまった時の心のケア」をご紹介いたします。
お楽しみに!
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