きょうだいの平等な育て方、どうしてる?
「同じようにに育てているつもりでも、子どもによって性格も受け取り方も全然違う!」
と思うことはありませんか?
よしみママの“3人兄弟ドタバタ子育て劇”に、今回登場するのは、小学生の次男・けんとくんです。
ある日、急に母親を避けるようになり……。
ショックのあまり始めた、3年に及ぶ作戦とは?
長男は今や、日本で最も注目される実力派俳優&アーティストとして活躍中!
(記事最後のメモリアル写真をチェック)
子どものときの意外なエピソードをごらんください。
(1万年堂ライフ編集部)
【登場人物紹介】
母・よしみ
|
一家のアイドル!明るく楽しい性格で、家族をあたたかく包み込む。3人のわんぱく兄弟にも負けない、パワフルお母さん! |
---|---|
父・あらた
|
一家の大黒柱!経験豊かなアドバイスで家族を明るい方向へ導く。熱血漢で時々怒りっぽいけど、愛情深いお父さん! |
長男・たいしょう
|
強くて優しい、みんなの頼れる大将! チャレンジ精神旺盛な頑張り屋で、オールラウンドな才能の持ち主。 |
次男・けんと
(長男と3歳差) |
観察力ピカイチ、しっかり者の次男坊! 空想好きで、ゲームだったら家族の誰にも負けないクリエイター派。 |
三男・あらき
(長男と7歳差) |
誰からも愛される、かわいい末っ子! 好奇心いっぱいで人懐っこく、周りが放っておかない一家の隠し玉。 |
「何が起こってる!?」息子が私のことを避けてる?
次男がまだ小学3、4年生ぐらいだった時のこと。
ある日、何気なく肩に手をかけようとしたら、嫌な顔をして、ひゅっと逃げられたことがありました。
思春期にもまだなっていない頃のことだったので
「え?何が起こってるの?」
と、ただただショック。
私を避けるような素振りを見せるようになった次男に、
「どうしたらいいの……」
と落ち込む日々。
ふと一年生のとき、担任の先生から言われた言葉を思い出しました。
「次男さんは真ん中のお子さんだから、もう少し手をかけてあげてくださいね」
ただその時は、心の中で
(えっ!手はかけてますけど…、この先生何を言ってはるんやろう……)
ぐらいにしか思えませんでした。
ショック…自分の子どものいいところが一つも思いつかない!
そんなある日、クラス懇談で
「お子さんのいいところを順番に言ってください」
というのがありました。
お母さんたちは、次々と話し始めます。
ところが自分の番が回ってきたとき、どうしたことか、何一つ次男のいいところが思い浮かばなかったんです!
「何が起こってる?……え?なんで見えないの?」
次男の姿はいろいろと思い浮かぶのに、なんでいいところが見えてこないの?
理由がわからず、ひたすら困惑。
あの時はわからなかった、先生の言葉の意味
その時思い出したのが、一年生の時のあの言葉。
「次男さんは真ん中のお子さんだから、もう少し手をかけてあげてくださいね」
そっか!あの時、先生が言っていたのは、こういう意味だったんだ…。
見ているようで、全然見ていなかったことに気づきました。
よく考えると、長男と三男に挟まれた次男は、長男の真似をしたり、三男のお世話をしたりして、賢く器用で何でもできる子。
手がかからない分、十分に見れていなかったのです。
「このままじゃ、あかん!」
状況を変えるべく、動くことに。
何をしたかというと…、とにかく
「次男だけを特別扱いする」こと。
そのまま近づいても、またひゅっと逃げられてしまうので、まずは、次男が好きなゲームに付き合う。話を聴く。プロレスごっこに参戦してスキンシップをとる。
そうやって意識して関わっていくと、今まで気がつかなかった次男のいいところがたくさん見えてきたんです。
プロフェクト2始動!毎日のお弁当に「一言メッセージ」
さらに、次男が中学校に上がってからは、「メッセージカードつきお弁当大作戦」を敢行!
「お弁当をきれいに食べてくれてありがとう」
「笑顔で話してくれたのが嬉しかった!」
……こうした一言を小さな紙に書いて、3年間、次男のお弁当にだけ一日もかかさず添えました。
次男から返ってくるお弁当には、いつもくちゃくちゃになったメッセージが。
「男の子だし、恥ずかしいのかもしれんな」
次男が読んでくれているかどうかは分からなかったけれど、
「まあ、いいや」
という気持ちで、毎日変わらずメッセージを添え続けました。
最後のお弁当の日、息子がくれた一言
そして、とうとう最後のお弁当の日がやってきました。
いつものように帰宅した次男から、一言。
「今日、お弁当の時に、この手紙をみんなの前で読んだ」
突然の告白に「えっ!?嘘やん!お友達にバッシングされへんかった?」と急に不安に。
恐る恐る
「みんなどう言ってた?」
と聞いてみると……。
「みんな、『いいお母さんやね』って」
それから、
「3年間、本当にありがとう。毎日部活を続けさせてもらえたのも、親のおかげやと思う」
次男は、いつもどおり5、6人の友達とお弁当を食べ、初めてこのメッセージを読んだとのこと。
すると、それを聞いた友達からも親への感謝の言葉があふれ……。
一言メッセージをきっかけに、中学生最後のお弁当は、あたたかいお弁当タイムに。
そのことを教えてくれた次男に、ついに涙腺崩壊……!
悩める日々はあったものの、心から「最後の日まで続けてよかった」と思いました。
もし前日でやめていたら……大切な場面に立ち会えなかったかもしれないですよね。
少しずつでも時間をかけて。愛情たっぷりの特別扱いを
ある日突然、次男に避けられたショック、そして衝撃的だった懇談会を経て、ようやく軌道修正に向かうことができました。
一人だけに時間をかけ、愛情が伝わるように、見えるように。
さらに一年目より二年目、二年目より三年目……と時間を重ねた分、愛情は確実に伝わっていったのだと思います。
兄弟3人、同じように接しているつもりでも、個性も違えば、愛情の届き方も違います。時にはフォローする形での「特別扱い」が必要なことも。
今では、仕事でもパートナーになれるほどの大の仲良し!あの頃からは想像もつかない変化ですよね。
このように、お子さんに愛情を伝えることは、いつからだって大丈夫。遅いということはありません。
何か子どもが心配な素振りを見せた時こそ、プロジェクト始動のサイン。
ゆっくり時間をかけ、愛情たっぷりの特別扱いをすることに躊躇することはないと思います。(fromよしみ)
メモリアルフォト
左から、長男の菅生大将くん(菅田将暉さん)、三男の菅生新樹くん、次男の菅生健人くん
「よしみの子育て新喜劇」への質問・感想はこちらから
この記事へのご感想・ご質問をぜひお寄せください。今後の連載の糧とさせていただきます。