前回は、PMSの症状についてお話をしました。
今回は、そのPMSの具体的な対処法や、向き合い方について解説していきます。
この記事はこんな人におすすめ!
- PMSが治せるか知りたい人
- 生理による不快症状を改善させたい人
- PMSを改善させたい人
この記事を読めば、PMSの症状を実際に改善させていくこともできますよ!
引き続き、たなべクリニックの産科婦人科医、田邉良平先生にご監修いただきました。
ソフロロジー法という、産前教育の普及をライフワークとしている。
※たなべクリニックは、日本ソフロロジー法研究会が認定した日本で初めてのソフロロジー法教育施設
田邉先生は、従来とは全く異なるポジティブな陣痛、お産の考え方で、お母さんになる女性から大人気なんです。
そんな田邉先生の書籍はこちら!
田邉先生監修、ソフロロジーの記事はこちらをご覧ください。
さっそく、PMSの対処法について見ていきましょう。
PMSとはいつまで付き合えばいいの?
前回の記事にあったチェックリストを実際に確認されて、ご自身がPMSだと気づいた方もいらっしゃるかと思います。
まず、結論から言いますと、PMSを完全に治すのは難しいです。
PMSは、女性によって程度が異なりますが、年齢によっても症状が変化します。
一般的に、10代の頃はそこまで重たい症状は現れず、20代、30代になると症状が深刻化することがあります。
また、突然症状が現れるというケースも。
筆者も、20際〜22歳にPMSの精神的な症状が強く現れ始めました。
酷い腹痛で倒れたことがきっかけで、PMSだということに気がつき、治療を始め、現在にいたります。
生理は、個人的な現象であり、症状を他人と共有することができません。
ただ、倒れてしまうような状態になるまで我慢することは、間違っています。
生理の症状は、ご自身でしっかり理解し、対処しなければなりません。
年齢によって変化するので、定期的に対処法がご自身の身体に合っているかを確認することも大切です。
生理は女性にとって、長い期間を共にする症状。
完治させるのではなく、気長にうまく付き合うコツを見ていきましょう!
PMS対処法⓪「生理周期の把握」
まず、全ての対処法に共通する事前準備があります。
それは、生理周期を把握することです。
生理周期の数え方を簡単におさらいしましょう!
一般的な生理周期は、28日〜35日と言われます。
例えば、28日周期の場合は、生理が始まった日を初日として、28日後に次の生理が始まります。
生理の日を手帳やカレンダーで記録し、半年ほど観察してみましょう。
何日おきに生理がきているかを計算し、平均値を出すことで、大まかに予測することが可能です。
また、最近は生理日を予測してくれる便利なアプリもあります。
生理が来た日を記録しておくと、自動で計算し、次の生理開始日を予測してくれるので、とても便利ですよ。
ぜひ、ご活用ください!
生理周期が短かすぎたり、長すぎる場合は、ストレスの負荷が大きかったり、子宮に何らかの異常が起こっている可能性も……。
不安な方は、産婦人科を訪れましょう。
PMS対処法①「生活習慣の見直し」
生理周期が把握できたら、具体的な対処法を実践していきましょう!
PMSは、生理日の3日〜10日前に現れる症状です。
生理中は、無理をしないようにしている方も多いと思いますが、PMSの方は、生理前から気をつけておくと◎
PMSの症状は、その時の身体の状態に影響をうけやすいです。
日ごろから、
- 規則正しい時間に起床/就寝する
- 適度に運動をする
- 健康的な食事をとる
……といった、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。
また、PMSの時は、目には見えなくても集中力が持続しなかったり、なんとなく気だるく、やる気が出ないことがあります。
生理前は、仕事のバランスを調整したり、大事な予定を入れないようにする……など、可能であれば生理前はリラックスできるようスケジューリングできるとよいですね。
PMS対処法②「薬」
生活リズムを見直しても症状が改善しない場合や、より早い効果を求めている方は、お薬の服用も検討しましょう。
市販薬をはじめ、お医者さんに処方してもらえるお薬など、PMSに効く薬は数種類あります。
メリット、デメリットを確認し、ご自身に合ったお薬を探すことが大切です。
市販薬
薬局にある生理不順などに効く薬も、一定の効果があります。
ただ、ご自身の症状を自分でよく理解、判断する必要も。
PMSの中でも、ひどい腹痛など身体的な症状が気になる際は服用を検討してみましょう。
漢方
PMSの症状によって、処方される漢方もそれぞれですが、主に冷え性に効く漢方を処方されることが多いです。
イライラや、不安感などの精神的な症状に働きかける漢方もあります。
PMSの、どの症状に特に悩まされているかを理解できていると、効果を得られやすいでしょう。
低用量ピル
低容量ピルというのは、低容量の女性ホルモンを含んだ錠剤のことです。女性ホルモンのバランスを整え、PMSの諸症状に効果を発揮します。
毎日継続して飲むことで、生理を完全にコントロールできます。
生理がくる日を確実に把握できるので、旅行や、受験といった大切なイベントの時も安心です。
効果が簡単には出なかったり、毎日飲まなくてはならなかったり、薬にも色々な特徴があります。
そして、あなたが1年間症状に悩まされているとすると、効果が出るのにも同じくらい時間がかかることもあります。
服用を継続することが苦にならないかどうかなど、自分の性格も考慮して、合ったお薬を選びましょう。
PMS対処法③「産婦人科へ」
薬を飲んでも効果がない、または低用量ピルを検討したい、という方は、産婦人科を訪れましょう。
生理のことについては、自分を理解してくれている友達や家族に相談しても、全て受け止めてもらえるわけではありません。
生理にまつわる症状は、身体的なものから精神的なものまで、様々です。
自分一人ではなかなか解決できない問題もあります。
そんなときは、半歩踏み出して、産婦人科に相談してみましょう。
産婦人科のドクターが、あなたの悩みに共感し、心強い味方になってくれるはずです。
産婦人科の先生は、女性の悩みのプロフェッショナルです。
直接診てもらえるので、あなたにあった処方をしてもらえます。
あなたのお悩みも、解決に向かうかもしれません。
あまり気負わず、悩んだ時は受診することも考えてみてくださいね。
PMSとの向き合い方
ここまで、具体的な対処法をご紹介しました。
最後に、生理痛や精神的な不安定さに苦しんでいるけど、無理して我慢している人に、PMSとの向き合い方をお伝えします。
PMSは完全に治ることはありません。
また、年齢によっても症状が変化します。
PMSは、多くの女性が長期間にわたって経験する症状です。
生理だから仕方がない、と我慢したり、苦痛に耐える必要は全くありません。
痛みを和らげる受け止め方や、方法はたくさんあります。
まずはあなたにとって、取り入れやすい方法から試してみましょう。
長い時間をともにするのですから、ご自身の中の「もう一人の自分」のように、寄り添って、理解していくことが大切。
「今日はどうしても眠い」
「なんだかやる気が出ない」
「すごく寂しい気分……」
「無性にイライラする!」
……こうした症状を拒否せず、まずは受け止めましょう。
また、ご自身がPMSであることを、ご家族やパートナーの方に説明し、可能な範囲で理解してもらうことも、あなたが心安らぐ時間を作ることに繋がります。
あなたの辛い感情や苦しい感情は、あなただけのものですから、他の人と比べなくて構いません。
しっかりと受け止めて、向き合っていきましょう!
「頭が痛い」「イライラする」「眠れない」……こうした症状は、「事実」としては変えることができません。
ですが症状をきちんと理解、受け止めることで、変えられる部分も見えてきます。
「頭が痛いけど、家事ができた!」「今日は、昨日よりはよく眠れた!」
できないことではなく、できたことに目をむけてみましょう。
捉え方ひとつ、です。
100点を目指そうとせず、気長に上手くお付き合いしていきましょう!
まとめ:自分のことをきちんと理解して、続けやすい付き合い方を見つけよう
最終回となる今回は、PMSの具体的な対処法や向き合い方をご紹介しました。
ポイントは、
- PMSを完全に治すのは難しい。
- 自分の性格や症状をきちんと理解し、上手にお付き合いすることが大切!
- PMSは、女性なら誰にでも起こり得る、身近な症状です。
自分の身体で起こっていることをきちんと理解し、自分にとって続けやすい付き合い方を考えていきましょう!
関連記事