1. 子育て

【専門医監修】HSPとは何か?種類や特徴、原因、判別方法、疲れの取り方などまとめて解説

HSPについて、基本的な内容から細かいところまで詳しく知りたいという要望が増えています。

今回はHSPについて、網羅的にまとめてみました。

この記事はこんな人にオススメ

  • ✅ HSPについて基本的なことを知りたい人
  • ✅ 自分がHSPで悩みがある人
  • ✅ 知り合いがHSPなので接し方を知りたい人
  • ✅ おすすめの解説書を知りたい人

この記事はHSPの専門家である精神科医の明橋大二先生監修の下、執筆しております。

明橋大二先生紹介
昭和34年、大阪府生まれ。 京都大学医学部卒業。 子育てカウンセラー・心療内科医。 真生会富山病院心療内科部長。 児童相談所嘱託医、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。 専門は精神病理学、児童思春期精神医療。
1万年堂出版から子育てハッピーアドバイスなど多数ベストセラー本を執筆している。
公式サイト

今回の記事を通して、HSPの特徴を知り、HSPとして楽に生きるヒントを一つでも得ていただければ幸いです。

※この記事では記事を複数紹介していますが、参照記事の挿入箇所や、参照先の記事の内容に関しては、明橋先生の監修外、筆者の判断での紹介記事となっていますので、ご了承ください。

最初にHSPについて、基本的な内容を説明します。

目次

HSPとはどんな人のこと?

HSPとは「Highly Sensitive Person」のことで、日本語に訳すと「ひといちばい敏感な人」です。

ひといちばい敏感であるとは、五感を通してやってきた情報を、とても深く細やかに処理する生まれつきの傾向を言います。

これは目や耳が良いということではなく、入ってきた情報をより丁寧に仕分けているということです。

引用:エレイン・N・アーロン著、 明橋 大二訳『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛』青春出版社

アメリカの心理学者エレイン・アーロン氏が1991年に提唱した特性で、病気の症状や障がいではありません

生まれつき感受性が強く、物音や光だけでなく、言葉や他人の仕草に影響を受けやすい気質を持っている人のことです。人口の15~20%に存在すると言われています。

HSPは男性・女性関係なく、人々の中に一定の割合で存在しますが、「どうして私はこんなに弱くて臆病なんだろう。みんなはなんて強いんだろう」「自分は男なのにびくびくして女々しい」といったように自分を責めやすい傾向にあります。

しかし敏感さは、決して欠点ではなく、持って生まれた特性の一つです。世の中には、様々な気質や性格の違いがありますが、どんな特性も、人間の多様性の一つで、必要なものなのです。

このことについてこちらでも書いていますので、参考にしてください。

メモ:HSPの原因は研究中

HSPが生まれつき「ひといちばい敏感」である原因は、いろいろ言われていますが、まだ研究段階です。脳のこの部分という断定はできません。他の人よりも脳が深く情報を処理しているという点はわかっていますので、HSPの特徴を知って、上手にHSPとつき合っていきましょう。

HSPの特徴を詳しく説明します

HSPには非HSPにはない特徴がいくつもありますので、下記で分類して紹介します。

五感が敏感

HSPの特徴によくあげられるのが、五感が敏感なことです。

五感全部に敏感な人もいますが、「私は視覚がとくに敏感」「私は聴覚と嗅覚が敏感」など人によって敏感な箇所が異なることも多いです。

五感の中で、自分がどの刺激に敏感なのかに気づくと、刺激を受けすぎないように注意できますので確認してみてくださいね。

以下の記事も参考になりますのでご覧ください。

以下では、それぞれの刺激の特徴を説明します。

視覚:光に敏感

光に敏感な人は、太陽の光やコンビニの光が眩しく感じ、光を多く見すぎると疲れやすかったり、頭痛がしたりします。

疲れを軽減させるために、以下のような対策をしてみましょう。

  • サングラスのように少し光を抑えるメガネをはめて過ごす
  • 長時間コンビニに滞在しない
  • 家の中では間接照明
  • 昼間は外の明かりだけで過ごす

光についてはこちらの記事もご覧ください。

聴覚:音に敏感

音に敏感な人は、救急車や特急電車が近くを通る音に耳を塞ぎたくなることや、ちょっと物音がしただけでも猫のようにビクっとなります。

また一般の人には普通の大きさの声でも、HSPには大きく聞こえることもあり、人混みで音を聞きすぎて疲れやすいです。

音に敏感な人は、音を軽減させるために、このような対策が考えられます。

  • ノイズキャンセリングイヤホンをつける
  • 買い物は人混みの少ない開店すぐに行く
  • 怒鳴り声が聞こえてきたら音楽を聞く

音については、こちらの記事も参考にしてください。

嗅覚:ニオイに敏感

ニオイに敏感な人は、人の口臭や体臭だけでなく、お店のにおいや香水などでも気分が悪くなってしまいます。

マスクをつけることや、好きな香りを自分につけておくなど、ニオイによる刺激を少なくする必要があります。

ニオイについては、以下の記事もご覧ください。

味覚:味に敏感

味に敏感な人は、カフェインや化学調味料など刺激物に強く反応してしまい、食べられないということがあります。

濃い味や食感などにも抵抗があり、偏食になりやすいです。

無理して食べて気分が悪くなることもありますので、食べられるものを美味しくいただきましょう。

味については、こちらの記事も参考になります。

触覚:肌触りに敏感

肌触りや感触に敏感なHSPもいます。

知らず知らずのうちに、肌触りからのストレスを受けている場合がありますので、服を柔らかい布にするなど、少し肌への刺激を減らす工夫をするとストレスが軽減されます。

メモ:敏感さについて

わかりやすいように五感が「敏感」と表現していますが、正確には、脳が「受け取った情報を深く処理」することから、刺激を強く感じているのです。ひといちばい敏感であるとは、五感を通してやってきた情報を、とても深く細やかに処理するうまれつきの傾向を言います。これは、目や耳がいいということではなく、入ってきた情報をより丁寧に仕分けているということです。
引用:エレイン・N・アーロン著、 明橋 大二訳『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛』青春出版社

次に「全てのHSPにあてはまる特徴4つ」「差次感受性」「HSPの種類4つ」「HSS」について説明しますが、少し専門的な内容になりますので、難しければ「HSPあるあるを紹介」の見出しへ進んでください。

全てのHSPにあてはまる特徴4つ

HSPの特徴としてわかりやすいのは五感ですが、五感の特徴は人によって異なり、当てはまる人もいれば当てはまらない人もいます。

HSP提唱者のアーロン氏は下記4つの特徴すべてに当てはまる人は、HSPであると述べていますので紹介しますね。

4つの特徴を、DOESと言われます。

  1. D:外から受けた刺激・情報の処理の深さ(Depth of Processsing)
    「D」は、処理の深さです。情報を深く受け止める特徴があります。
    さまざまな角度で、物ごとを捉えて考えを巡らせています。
  2. O:緊張や興奮のしやすさ(Being Easilly Overstimulated)
    「O」は、緊張や興奮しやすく、刺激が多くなりやすい特徴です。
    なので、非HSPよりも刺激が限界量を超えやすいので、刺激の少ない環境を求めたり、多くの休息が必要だったりします。
  3. E:受け取った情報に対し感情の反応が強く、共感力が高い(Emotional Reactivity and Empathy)
    「E」は、感情の激しさや、人の気持ちがわかりすぎるという特徴です。
    きれいな花を見る、楽しい音楽を聞くなど心地よい刺激にも人一倍大きく反応し、逆に蛇やサソリなどゾットするような刺激にも大きく反応します。
  4. S:ささいな刺激に気づく(Sensitive to Subtleties)
    「S」は、小さな刺激にすぐに気づく特徴があります。
    表情や声色のちょっとした変化にすぐに気づきます。

DOESについて詳しくはこちらの記事で説明していますのでご覧ください。

環境から影響を受けやすい

DOES以外にも、さらに特徴があるとアーロン氏は言います。

それが差次感受性(環境感受性)です。

周囲の環境や経験から、影響を受けやすいという特徴です。

HSPはいい生活環境や成長環境にいれば、人一倍良い影響を受けますが、逆に悪い環境であっても大きく影響を受けてしまいます。

HSPは周りに影響されやすいと自覚することで、慎重に良い環境を選べるようになりますので、考えてみてくださいね。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

HSSは刺激を求める

HSPは、刺激を避けがちな特徴があります。

たくさん刺激を受けすぎてキャパオーバーになりやすいため、ストレスの少ない環境を求めるからです。

ですが、一方で自ら刺激を求めるタイプもあります。

これがHSS型のHSPです。

HSSとは、High Sensation Seeking略で、刺激探究型と呼ばれます。

HSSについて詳しくは、こちらの記事を御覧ください。

人を4種類に区別できます

上記特徴を踏まえると、人を4種類に分けられます。

以下で整理していますので、自分がどの種類に当てはまるか考えてみてください。

1:HSP&非HSS

HSPの中で一番多いタイプです。

他人から刺激を受け取りすぎて疲れやすいため、刺激を受け取らないように1人でいる時間が多くなりがちです。

HSP&非HSSの特徴

  • 1人の時間が好き
  • 思慮深い
  • 共感力が高い
  • リスクは引き受けない

HSPは必ずしも、もともとの性格が暗く、一人でいる時間を好むというわけではありません。

外部の刺激に敏感に反応する結果として、他人と関わらないようになっていくということです。

2:非HSP&HSS

HSSの気質があり、非HSPである場合は、いつも好奇心旺盛で、思い立ったらすぐに行動し、リスクを嫌がらないです。

細かいところは気になりにくく、常に新しい体験や出会いを求めて生活していきます。

非HSP&HSSの特徴

  • 新しいものが好き
  • 変わったものに惹かれる
  • 事態が紛糾すると生き生きする
  • 出会いを楽しみたい

非HSPなので、より多くのリスクをとって人生を生き抜こうとするでしょう。

3:HSS&HSP

思慮深く行動しつつも、衝動的で、刺激を求めて動くのがHSS&HSPです。

刺激が少なすぎると退屈してつまらなくなり刺激を求めますが、刺激を受けやすいため情報過多になりやすいです。

HSS&HSPの特徴

  • 好奇心が強い
  • 思慮深い
  • 共感力が高い
  • リスクは引き受けない

活発であることから人から見るとHSPに見られなかったり、自分でもHSPに気づかないこともありますが、家に帰るとグッタリ疲れやすいので、自分の特性をしって上手に付き合っていきたいところです。

HSSについては、以下の記事をご覧ください。

4:非HSS&非HSP

好奇心が低く、衝動的な性格でもなく、あまり深く考えこまないタイプの人です。

いつも自然体で生きているので、「悩みがなさそう」などと思われがちです。

HSPあるあるを紹介しますね!

HSPの特徴をもとに、HSPにありがちなことを紹介しておきますね。

1:よく寝る・眠たい日が続く

HSPは日中多くの刺激を受けているので、心身ともにくたくたになりやすく、睡眠時間が多いと言われます。

新しい環境になったりして多くの刺激があると、どれだけ寝ても寝足りないと感じたり、体も心もくたくたになったりします。

急に眠たい日が続くと、睡眠時無呼吸症候群などの病気も疑ってしまいますが、「刺激を多く受けすぎていないか」ということも検討してみてくださいね。

逆にHSPで睡眠時間が短いと、心と体の回復が間に合わないかもしれません。

よく寝て睡眠時間を確保することは、心が日中のさまざまな刺激への対応する力にもなりますので、睡眠時間はしっかり確保しましょう。

一方で、HSPであるため寝る前にいろいろ考え込んでしまい眠れない人も少なくありません。

あまり眠れない人は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

2:友人や知人からの相談が多い

HSPは共感力が高いため、友人や知人からの相談が多くなりやすいです。

相手の些細な表情を読み取って、相手が言ってほしいと考えている言葉を選べるので、相談相手も居心地がいいからです。

しかも相手を傷つけないよう、細心の注意を払います。

ただし相談が終わった後は、くたくたになっていますので、体調が悪いときは断るなど、長時間相談に乗るは控えたほうがいいでしょう。

3:他人の癖が気になる

HSPは音や人の仕草にも敏感になり、他人のさまざまな癖に過剰に反応してしまいます。

他人の癖が気になりすぎて、「相手を受け入れられないのは、自分の心が狭いからなのかな」と落ち込んでしまう人もいるかもしれません。

しかし気になるのは心が狭いのではく、HSPとしての特性なのです。

落ち込まなくてOKです。

4:テレビのニュースに過剰に反応する

テレビのニュースは、毎日のように事件やトラブルといったネガティブな話題で溢れています。

テレビをつけているだけで、「政治が悪い」「犯罪者が悪い」「道徳に反する」「動物が可愛そう」といったニュース一つひとつに反応してしまい、一喜一憂していることも。

テレビを消すと刺激が減って心が落ち着くこともありますので、テレビの視聴時間を減らしてみてくださいね。

5:災害シーンや怖い映画が苦手

地震や土砂崩れなどの災害を見たりすると、HSPは自分のことのように受け止めてしまい、つらくなってしまいます。

映画やドラマの恐怖シーンでは人一倍ダメージを受けやすく、自分まで痛く感じたりします。

情報に過剰に反応して疲れていることに気づいたら、情報をシャットアウト(見ないように)して刺激を避けましょう。

6:気圧の変化に敏感

HSPは大雨や台風からくる気圧の変化にも敏感で、頭痛や倦怠感など、体調に異変が出る人もいます。

体調に異変が出やすい人は、風邪に限らず、こういったことも頭痛の原因になると知った上で、安心してゆっくり休むようにしてくださいね。

参考記事はこちらです。

7:恋愛に慎重になりすぎる

HSPは他人に前で素の自分を出すことに慎重なことから、恋愛においても慎重になりすぎる傾向があります。

そこには「親密さへのおそれ」が隠れている場合もありますね。

「仲良くなって傷つきたくない」「傷つくくらいなら1人で生きていくほうがマシだ」と思ってしまい、距離をとってしまうのです。

詳しくはこちらをご覧ください。

HSPの特徴や、具体的な事例(あるある)をみて、当てはまりそうだと感じたら、HSPについて簡単にチェックしてみましょう。

敏感さを知るセルフチェックシート

自分の敏感さのセルフチェックを用意しています。

「自分がどのくらい物事に敏感なのか」「どのような場面で敏感に反応するのか」を知るヒントにしてみてください。

敏感になる項目は、HSPであっても人それぞれ異なってきます。

敏感さチェックシート

小さい頃から周りの人によく「鋭いですね」と言われてきた
複雑な思い(自分の中の矛盾した気持ち)を持ちやすい
鮮烈で意味深な夢を見る
第六感(直感)が働く
相手が言い終わらないうちに分かる
空想しはじめるとどんどんエスカレートする
「細かい」「神経質」とよく言われる。またはそのように思われないよう気をつけている
常に、相手の言葉の「本当(裏)の意味」を考えてしまう
身の覚えのない指摘をされても真剣に悩んでしまう
「話しても分かってもらえない」とあきらめてしまいがち
ショックを受けたり疲れたりすると回復に他人よりも時間がかかる
悩んで眠れなくなることが多い
ひとりの時間がないと絶対ダメ
暑い、寒い、空腹、口渇で、仕事の効率が急降下する
騒音や、誰かの怒る声が聞こえる環境はつらい
一つ一つは得意でも、一度にいくつもこなさねばならないとなると戸惑う
逆に、何度も言わずに一度で済ませてほしい
(例えば経営者なのに)周囲に仕事を任せられない(気になって結局ストレス)
駅、空港、家電量販店、スーパーを歩くのは疲れる
誰かにじっと観られるとダメ
緊張して失敗したことがある
初対面の相手であっても色々なことを感じ取る
相手が味方であり理解者と分かれば心を開く
とにかく涙もろい(あるいは小さい頃、泣いちゃダメと注意されて守るようにしてきた)
他人の感情に気分が左右されがち
誰かが叱責されていると自分のことを言われているようで辛い
不機嫌な人といると「自分のせい」ではないかと思ってしまう
他人(例えば上司)のご機嫌うかがいに徹してしまう
流血、処刑、拷問シーンのあるグロテスクな映画が苦手だ
相手の喜ぶ顔が見たい
隠された不正やいじめ問題が許せず、非常にもやもやする
派手な服は着ない
騒がしい場所から離れたい
薬はすぐ効くが、一方で副作用を感じやすい(副反応が現れやすい)
不調を抱えやすい(アレルギー、身体の凝りや痛み、腹痛、頭痛、月経前症候群、慢性疲労etc…)
痛がりだ
人の多い会議室では人間(ストレス)臭を感じる
四つ葉のクローバー探しや間違い探しが得意だ
天気や気圧の変化が肌でわかる
フラッシュ、静電気、化学繊維、化学調味料、食品添加物が苦手で自然派志向
驚かされると逆に相手が驚く反応をする(お化け屋敷は悪趣味だ)
車のクラクション、自転車の鈴の音、来客のチャイムにもびっくりする
職場に不機嫌オーラを放つ人がいると、途方もなく振り回される
ほめられたとき、ほぼ必ず裏の意味がよぎる
しかし、ほめられると非常に嬉しく励みになる
台本やシナリオは用意しておきたい
他人には心の安定した人、温かい人、サバサバした人と思われたい
報・連・相は、慎重で器用だ(相手と状況に合わせて表現を変えている)
転職の回数が多い
小さい頃の両親の口癖が、今の自分の価値観になっているところがある
パートナーの「あの人は〇〇だ」の言葉に流されやすい
恋人には、尊敬できる、自分を高めてくれる(導いてくれるほどの)相手がいい
今が幸せだと、同時に不安を感じる(見捨てられること、裏切りが怖い)

HSPが楽になる方法を紹介!

HSPが楽に生活する方法として、下記5つを説明します。

1:自分の敏感さに向き合う

まずは自分の敏感さを知って、向き合うことが、HSPが楽になる第一歩です。

「自分はびくびくして臆病だ」「心が弱いからダメなんだ」と自分を責めて落ち込んでいる人も多いですが、HSPだと理由がわかれば安心できます

HSPについて理解して、自分に対してもっと優しくしてみましょう。

2:他人と上手に境界線を引く

他人と上手に距離をとれないときに、他人から必要以上に刺激を受けすぎて疲れてしまうので、うまく自分と他人との間に境界線を引きましょう。

しかしHSPは、相手のことが気になりすぎて距離感をうまくとれない人も多いです。

境界線の引くときのポイントは、「本当は自分はどうしたいのか?」と自分に問うことです。

自分がどうしたいかをまず明確にして、他人と接すると境界線が引きやすくなります。

詳しくは、下記をご覧ください。

3:感情を吐き出す

HSPは相手の気持ちが気になり、無意識に自分の負の感情を押し込めてしまいがちです。

そうすると、どうしてもストレスが溜まっていってしまいます。

オススメの吐き出し方は、誰にも見せない前提で「紙の上にもやもやを書き出す」です。

HSPは自分の負の感情を吐き出すことに慣れていないことが多く、まずは紙に書いて吐き出す練習をしてみましょう。

「ムカつく」「嫌い」「嫌だったのに」「やりたくなかったのに」など、紙に書くだけでも心が落ち着きます。

そして紙にアウトプットしながら、徐々に自分の感情を相手に伝えられるように練習していくことが必要です。

感情を押し込めることについて、詳しくはこちらを参考にしてください。

4:怒りっぽい人への対処法

HSPの場合、相手から「怒り」を受けとると、深刻に受け止め過ぎで落ち込むことがあります。また刺激が強すぎるため。何も考えられなくなったり、体調を崩したりしてしまうこともあります。

そのため怒りを受け取らない工夫が必要になります。

まず、怒りには2種類あることを知って、それぞれ適切に対応していきましょう。

2種類の怒りとは「道徳的な怒り」「人を傷つけるためだけの怒り」をいいます。

「道徳的な怒り」は、相手が約束の時間に遅れた時に、「守ってほしい」と伝える時の怒り、「その行動はやめてほしい」と伝える時の怒りです。

「人を傷つけるためだけの怒り」は、ただ傷つけようとするなど、自分のストレスを吐き出すための怒りです。

それぞれの怒りへの対処法は、こちらの記事に詳しく書かれていますのでご覧ください。

5:HSPの疲れのとり方「ほっとする」

常に刺激を感じ続けているHSPは、積極的に「ほっとする」時間を作りましょう。

刺激を避けたり、減らせたりでき、疲れを癒せます。

無意識のうちにたくさんの刺激を浴びていますので、ほっとする時間を意識してとるようにすることで疲れが取れやすくなりますよ

ほっとする時間は人それぞれですが、具体的にオススメなものを以下に記しておきます。

  • 瞑想を5分間する
  • 森林の中を歩く
  • 月明かりを歩く
  • クラシックを聴く
  • アロマを焚く

ほっとする時間の必要性について、詳しくはこちらの2記事で説明しています。

最後にHSPに関するよくある質問にお答えします。

HSPについてQ&A

今回は以下の質問について、答えていきます。

1:HSPに向いている仕事はあるの?

もちろんHSPに向いている仕事はたくさんあります。

HSPの特徴をポジティブに捉えると、自分の強みを発揮できますよ。

HSPの特徴を活かした仕事を選んでいきましょう。

また、苦手な環境を選ばないことも選択肢の一つです。

共感力が高さで、人の心に接することができます。

相手のことを思いやれるのが、HSPの特徴です。

具体的には、以下のような仕事が向いています。

  • 看護師
  • 介護福祉士
  • 公認心理士
  • セラピスト
  • 心理カウンセラー
  • コーチング
  • 教師

細かいところにまで気がつき、こだわれる

HSPは細部に気づいたり、こだわったりできる特徴があります。

以下の仕事も、向いているでしょう。

  • プログラマー
  • システムエンジニア
  • 機械等の保守やメンテナンス
  • CADオペレーター

感受性が豊か

HSPは繊細で感受性が豊かだという特徴があるので、下記のようなクリエイターの仕事も向いています。

  • 作家
  • 画家
  • 作曲家
  • デザイナー
  • ゲームクリエイター

HSPのタイプによっては、内向的だったり社交的だったりするので、自分のタイプと合わせた職業を選択するといいでしょう。

HSPに向いている仕事については、以下の記事でも書いていますのでご覧ください。

2:HSPなので人間関係がつらく、仕事が続きません。どうしたらいい?

HSPの場合、どうしても人間関係がつらく、仕事が続かないということは起きやすいと思われます。

その場合、上記で紹介したようなHSPが楽になる方法を試してみるのは、一つの選択肢です。

また職場環境が悪いと、HSPに限らず仕事を続けにくいですので、人間関係や労働環境の良い職場環境を探す必要があるでしょう。

3:家族がHSPだった場合の接し方は?

自分が非HSPで家族がHSPだった場合、HSPがなぜ過剰にものごとに反応するのかわからないかもしれません。

まずはHSPの特徴を知ることで、相手の理解につとめましょう

それからHSPの行動を尊重してください

たとえばHSPがあなたや他の人と距離を取りたがっていたら、一人の時間が欲しいのかもしれませんので、しばらくそっと見守りましょう。

また、HSPがあなたの何気ない一言に非常に不安がっていたら、優しく何も問題ないことを伝えるなど、安心感を与えてください。

ただしHSPだからといって特別扱いする必要はありません。変に意識しすぎず、お互い自然に相手を尊重し合って接するのがベストです。

お子さんにHSCの子がいる場合には、こちらの本が参考になりますので、ぜひご覧になってみてください。

HSCの子育てハッピーアドバイス

HSCの子育てハッピーアドバイス

明橋大二(著) 太田知子(イラスト)

4:HSPの治し方はあるの?

HSPは病気の症状や障害ではなく、脳の特徴なので、治す対象ではなく、また悪いものでもありません。

しかしHSPの中には、生きづらさを抱えている方も多いと思われます。

刺激への反応が強く、生活に支障が出るようなときは、刺激を減らす工夫をしたり、HSPに詳しいカウンセラーに相談されたりするのもいいかもしれません。

5:HSPと発達障がい(ADHDやASD)の違いはなに?

HSPは発達障がいと似ているような面もあり、ADHD(注意欠陥多動性障害)と誤診されることが多いと言われています。

たとえばどちらも「気が散りやすい」という特徴は似ています。

一方で「優先順位をつける」という点では、HSPは問題なくできますが、ADHDは不得意という大きな違いがあります。

HSPとASD(自閉症スペクトラム障害)の違いは両者とも感覚的に敏感なところは似た部分がありますが、人の気持を汲むことが得意か苦手か、という点が異なります。ASDは、基本的にコミュニケーションの障害がありますから、人の気持を察するのは苦手ですが、HSPはむしろ、とてもよく人の気持を察します。

またHSPの数は人口の20%ほどいると言われますが、ASDはもっと少ない数です。

詳しくは、こちらをご覧ください。HSC(ひといちばい敏感な子)についての記事ですが、HSPにも当てはまります。

6:HSPは「うつ」になりやすいの?

結論からいうと、HSPだからといってうつになりやすいわけではありません。

いい環境で育ったHSPと非HSPでは、うつになる割合は変わらないという研究結果があります。

ただし情報があふれる現代社会において、うつになるHSPは少なくないです。刺激を受け過ぎてしまうからです。

自分がHSPだとわかれば受け取る情報や刺激をコントロールしやすくなりますので、HSPの自覚を持つことの重要性は高まっているように思います。

まとめ:HSPを活かしながら生きる

今回は、HSPの原因や種類、特徴、診断方法、楽になる方法など、網羅的に解説しました。

まずは自分が、HSPなのかどうかに気づくことが大切です。

HSPに当てはまりそうでしたら、その特徴を活かした生活を送ってほしいと思います。

HSPは生活の中で刺激を受けやすく疲れやすいですが、ネガティブなことばかりではありません。

HSPに向いている仕事があったり、誰かの悩み相談にのったり、HSPだからこそ役立つことも多いです。

またHSPの方の感受性はとても豊かで、楽しい・穏やか・安心した環境では、多くの幸福感を味わえます。

記事を読む中で、一つでも楽に生きるヒントがあれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。