進路をめぐって、いよいよパパの出番!
今回の物語の主役は、あらたパパ。いつも広い視野で家族を見守り、導いてくれる一家の頼れる存在です。
……が、真剣に子どもたちのことを思うからこそ、カッと熱くなる一面も。
高校生になった長男の大将さんが、将来を考え選択した進路に、あらたパパから思わぬダメ出しが!?
一体どんなことがあったのでしょう?
子どもが大きくなってくると、必ずぶつかる進路の悩み。父と子のバトルを回避した、よしみママの一言にも注目です!
今や、人気俳優として活躍される大将さんの、輝きのもとが見えてくるかもしれません。
(編集部より)
【登場人物紹介】
母・よしみ
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一家のアイドル!明るく楽しい性格で、家族をあたたかく包み込む。3人のわんぱく兄弟にも負けない、パワフルお母さん! |
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父・あらた
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一家の大黒柱!経験豊かなアドバイスで家族を明るい方向へ導く。熱血漢で時々怒りっぽいけど、愛情深いお父さん! |
長男・たいしょう
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強くて優しい、みんなの頼れる大将! チャレンジ精神旺盛な頑張り屋で、オールラウンドな才能の持ち主。 |
次男・けんと
(長男と3歳差) |
観察力ピカイチ、しっかり者の次男坊! 空想好きで、ゲームだったら家族の誰にも負けないクリエイタータイプ。 |
三男・あらき
(長男と7歳差) |
誰からも愛される、かわいい末っ子! 好奇心いっぱいで人懐っこく、周りが放っておかない一家の隠し玉。 |
「お前はアホか」頭ごなしに怒る、あらたパパ…
長男が高校2年生になり、理系か文系か、そろそろ進路を決める頃のこと。
学校でもらった進路調査票に自分で記入し、親に確認するために持ってきました。
「理系」にマルがしてあったんですが、長男はもともと数学が得意。数学の教師になりたいとまで言っていたので、私は全く違和感を覚えず、
「お父さんにも、見てもらいや〜」と返したんです。
ところが、その調査票を見た主人が、なぜか激怒!!
「お前はアホか!?どう考えても文系やろ!!そんなことも分からんのか~~!!!」
と怒鳴り出し……。
長男は、何が逆鱗に触れたのかも分からず、反論したいけれど何も言えないまま、耐えるしかないようでした。
「数学が得意だから理系」は、何がアカンの?
険悪なムードを何とかしようと、私は慌ててフォローに……お父さんが落ち着いてから、理由を聞いてみました。
その頃、長男はちょうど、モデルのオーディションを受けるなど、芸能活動に向けて動き始めていました。
とはいえ、将来どんな仕事をしていくかは、まだ見えない状態。
主人はそれを応援しながらも、まずは大学に入ることを条件にしていたんです。だから、
“もし、芸能活動を本格化させるなら、理系の専攻だと大学での両立がとても大変。”
“本当に研究職に興味があるのか? 将来、何をしたいのか? ちゃんと調べ、よく考えてのことなのか?”
……など、あふれる心配から出てきた言葉だったんです。
それでも、お父さんが長男に大声を上げるなんて久しぶりのこと。
三人兄弟の一人目ということもあって、まるで自分の進路のように、少し神経を尖らせていたのかもしれません。
パパの気持ちを通訳するのは、ママの大事な役割
一方、母親の私は、中高一貫校から女子大へ入ったため、主人のような激しい受験の経験がありません。
しかも文系と理系とでは、大学でそこまで忙しさが変わる……ということも知らなかったんです。
お父さんの考えを聞いて、ようやく納得することができました。
そこで今度は、その考えを長男に通訳することに。理由は長男も理解できたようですが、
「どうして、あんな言い方しかでけへんのや!」「あの怒りっぽい性格、何とかしてほしい……」
と、頭ごなしに否定してくることだけは、どうも納得いかないようで…。
確かに、最初に理由を伝えて「だから、文系がええんちゃう?」と言ってくれれば、こんなことにはならなかったでしょう。
長男の言い分も、よく理解できました。
相手に「その性格どうにかしてほしい…」と思ったときは
ですが、私は長男にこう伝えたんです。
「人は簡単には変えられへん。相手を変えることができないなら、自分が変わるしかない。あなたが成長できたら、それでいいんとちゃう?」
お父さんとは長い付き合いです。ついカッとなってしまう性格はよく分かっているし、きっと簡単には変われません。
だったら、受け止める私たちが変わろう。そう伝えたんです。
長男は、それを聞いて面食らっていました(笑)。
きっと「ほんまや!なにあの言い方!」と言って慰めてくれる、味方になってくれると思っていたのでしょう。
だいぶ経ってから、
「あの時、オカンにあんなこと言われてびっくりした。わけ分からんこと言うなぁって…。でも、その言葉の意味が、大人になって仕事をし始めてから、ようやく分かるようになってきた」
というようなことを、しみじみ言っていました。
親子の対立も、将来の大切な学びの一つに(まとめ)
珍しくぶつかった二人でしたが、長男にとっては、人との接し方や、生き方についても、分岐点となったエピソードのように思います。
お父さんは、誰よりも長男のことを思って「文系にしなさい」と言ったんですよね。
言い方はキツかったかもしれないけれど、その気持ちの強さのほうが、今ならよく伝わっていると思います。
「どうして、あんな言い方しかできないの?」という受け止め方を、
「どうして、あんなに怒ったんだろう?理由があったのかな」と変えてみる。
そうすることで、見えてくるものがたくさんあると思います。
コミュニケーションがうまくいかない時、人間関係で悩んだ時は、少し捉え方を変えてみるのもいいかもしれませんね。
メモリアルフォト
左から、長男の菅生大将くん(菅田将暉さん)、三男の菅生新樹くん、次男の菅生健人くん
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