1日の疲れを取るお風呂の時間。リラックスするために、入浴剤を使っている方も多いのではないでしょうか?
ところが、市販の入浴剤だと添加物が含まれていて色や香りが好みに合わなかったり、肌への刺激が強すぎたりすることもありますよね。
そこで今回の記事では、自然由来で肌に優しい入浴剤の作り方をご紹介します。全ての入浴剤に編集部からのレビュー付き!
この記事はこんな人にオススメ
- 乾燥肌で刺激に敏感な人
- 市販の入浴剤の色や香りが苦手な人
- 入浴剤の代わりになるものを探している人
ちょっと工夫するだけで毎日のお風呂が楽しくなります。自分にぴったりの入浴剤で、素敵なバスタイムを過ごしてみてくださいね。
この記事は皮膚科専門医の花川博義先生監修の下、執筆しております。
乾燥肌は、刺激に敏感な気質を持っているHSP(Highly Sensitive Person)と関係していることもありますので、最初に乾燥肌とHSPの関係を説明します。
他人の気持ちに敏感な人は肌も敏感になりやすい?
関西大学の研究により、HSPの人ほど敏感肌を持つ人の割合が高く、服、アクセサリー、洗剤、洗顔用品などによって皮膚にかゆみや赤みが出やすいことがわかっています。また、敏感肌であるほどストレスを感じやすいという結果もわかりました。HSPの敏感さは皮膚の敏感さとも関係があるのではないかと考えられているようです。
肌の健康状態はストレスによって大きく影響されます。HSPの場合は、単純に肌だけが弱いだけでなく、ストレスとなる刺激が人より多いからこそ、肌トラブルを引き起こしやすいのです。
HSPについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています。
心の疲れは、バスタイムで回復!
お風呂に入ることは、心の疲れを取る「ダウンタイム(休憩)」にもなります。
湯舟に浸かることで、血液の巡りが良くなると、身体の疲れを取ることができます。また、心身の活動を司る自律神経を整えることができるため、心の疲れの回復にも繋がります。
38~40℃のぬるめのお風呂に、15分程度ゆっくり浸かりましょう。身体が温まることで眠りの質も上がり、良い睡眠が心の回復をサポートしてくれます。
乾燥肌におすすめの手作り入浴剤3選
材料があれば入浴剤は簡単に手作りすることができます。今回の記事では、乾燥肌や敏感肌にも優しい入浴剤の作り方をご紹介します。
重曹+クエン酸で温泉気分!しゅわしゅわバスボムの作り方
重曹は、身体に膜を作り湯冷めしにくくする保温効果と、皮膚の汚れを落としやすくする清浄効果があります。肌に優しく、しっかり保湿してくれるので、乾燥肌や敏感肌でも安心です。クエン酸と混ざりあうことで発生するガスは、血流を増やし、疲れや痛みを和らげてくれます。
参考:入浴剤の効果とメカニズム|日本浴用剤工業会 – Japan Bath additive Industry Association –
基本の材料
- 重曹 大さじ2(乾燥肌の人は大さじ1.5)
- クエン酸 大さじ1
- 水 ごく少量
重曹の量が多いと、皮膚を守るバリアまで取り除いてしまうので、心配な方は少量から調整しましょう。
食用と掃除用がありますが、掃除用には不純物や添加物が入っている場合があるため、入浴剤には食用を使用してください。どちらも1000円以内です。スーパーやドラッグストアで買うことができます。
準備するもの
- ポリ袋 1枚
- ラップ(もしくはシリコンの型)
- 霧吹き(あれば)
作り方
①重曹とクエン酸をポリ袋に入れ、袋を振って混ぜます。
②水を少しずつ加え、振ったり揉んだりしながら全体に馴染ませます。霧吹きを使うと量が調整しやすいです。最大3プッシュくらいで十分です!段々まとまりが良くなるので、焦らずに様子を見ながら水を足していきましょう。
ポイント:一気に水を加えると炭酸が発生してしまい、形が崩れやすくなってしまいます!
少し粉っぽさが残っていても、ぎゅっと握った時に固まればOK。
③ラップに移して形を整えます。型の場合は、入れた粉を上から強く押すようにして固めましょう。
④半日~1日、乾燥させたら完成!
炭酸が発生しづらくなってしまうため、保存期間は2~3週間が目安です。ガスが発生しづらくなるので、密閉容器などに入れて湿気を避け、なるべく早く使うようにしましょう。
ポイント:形を整えたらすぐに乾燥させましょう。
手作りバスボムのレビュー
水の量を入れ過ぎないようにする所が重要です。最後はお湯に溶かして使うものなので多少の失敗は気にしない!短時間で作れるので、お子さんの自由研究にも向いています。作るのがめんどくさい……という方は①で混ぜた粉を密閉容器で保存しておくといいかもしれません。
お風呂に溶けていく「シュワシュワ……」という音が心地良く、肌の表面がぬるぬるっとして温泉気分が味わえます。お風呂をあがってからも足先が冷えませんでした。重曹だけでも保湿効果はあるのですが、クエン酸と混ぜることでより乾燥肌に優しい入浴剤になっています。
アロマオイルでリラックス&保湿力UP!
好きな香りに包まれてリラックスしたい方は、アロマオイルをお風呂に入れてみましょう。オイルによって保湿効果が高まります。種類によって様々な効能はありますが、自分が心地良く感じる香りを選ぶのが良いと思います。
おすすめのアロマはこちらでもご紹介しています。
肌に優しいバスオイルの作り方
アロマオイルには刺激の強い物も多く、肌に直接触れてしまわないようにキャリアオイルで薄めます。肌の状態やアロマの香りの強さに合わせて調整してみてください。
- キャリアオイル(植物油) 5ml
- お好きなアロマオイル 1~5滴
2つの材料を混ぜて、お風呂に入れたら完成です!
バスボムを作るとき、水の代わりに使えば、香り付きの炭酸風呂を楽しむことができます。
バスオイルのレビュー
お湯に浸かっている時だけでなく、お風呂上りも自分からふんわりアロマの香りがして、とてもリラックスできます。保湿や保温効果も高く、良いことづくめです!ただ、入浴剤のためにアロマオイルやキャリアオイルを用意するのは少しハードルが高いかな?とも思いました。リラックス重視の人や、アロマオイルに興味のある人はぜひ試してみてください。
アロマオイルを使う時の注意点
①精油を選ぶ
香りを楽しむだけのアロマオイルは100円ショップなどにも売っていますが、石油やエタノールなど肌に有害な物質が入っているので、入浴には使わないようにしましょう。天然の素材のみで作られた「精油」を使うようにしてください。
②3歳未満のお子さんがいる家庭では使わない
小さなお子さんは肌の機能も未熟です。大人以上に刺激を感じてしまうため、3歳未満のお子さんがいる家庭ではアロマオイルを使った入浴はしないようにしましょう。バスボムやこれから紹介する食べ物・飲み物を使った入浴剤は、小さなお子さんでも使うことができます。
③柑橘系の精油には特に注意
グレープフルーツなどの柑橘系の精油は、皮膚に刺激を与えたり、太陽に当たると炎症を起こすことがあります。マッサージオイルに入れる場合は、日中は使わないようにしましょう。
引用:『生きづらいHSPのための、自己肯定感を育てるレッスン』
キッチンで発見!肌に優しい入浴剤の代用品7選
最後に、身近な飲み物や食べ物を入浴剤の代用品として使う方法をご紹介します。入浴剤を作ったり、材料を購入するまでもなく、もっと簡単に保湿をしたい方はこちらから探してみてください。
ただし、色や香りが付いてしまうので、洗濯には使用できません!お湯はその日のうちに捨てるようにしましょう。
①紅茶
ティーパック:2つ
茶葉:ティースプーン2杯程
茶葉はストッキングやお茶パックに入れましょう。飲んだ後のティーパックでも成分がでます。
紅茶に含まれる「タンニン」は肌の炎症を抑える効果があり、美容にも効果的です。
レビュー
ティーパック2つでもお湯が茶色になるくらい色が出ました。ほんのり香りも感じます。入っていて10分ほどで顔から汗が出るくらい温まります!保温効果もばっちりでした。バスタブに色が付きやすいので、気になる人はすぐに掃除しましょう。
②緑茶
ティーパック:3つ
茶葉:ティースプーン3杯程
茶葉はお茶パックなどに入れます。飲んだ後の茶葉でも問題ありません。粉茶なら20gくらいが目安です。
緑茶に多く含まれる「カテキン」は殺菌作用があり、ニキビケアや消臭グッズにもカテキンが多く使われています。
レビュー
あまり匂いは感じません。殺菌効果があるからか、お風呂上りにはサラっとスッキリする感じがありました。紅茶よりも色が出にくかったので、少し茶葉は多めの方が良いかもしれません。お茶パックを揉んでいたら穴が空いてしまったので、揉み過ぎに注意です(笑)
③ハーブ
フレッシュハーブorドライハーブ:片手に収まるくらい
ティーパック:2つ
フレッシュハーブやドライハーブを使う場合はネットやお茶パックに入れましょう。
アロマオイルと同様、ハーブにも種類によって効能が違います。何を選べばいいか迷ってしまう時は、ハーブティーのパックをそのまま使ってみてはいかがでしょうか。
レビュー
ラベンダーを試してみました。お湯の肌触りの変化は感じなかったものの、香りをしっかり楽しめます。アロマオイルよりも手軽に入手できる所が嬉しいですね。
④コーヒー
コーヒーの粉:10g程度
飲み終わったコーヒーかすを使う場合は少し量を増やしてください。コーヒーは粉が細かいので、なるべく細かい網目のネットにいれましょう。
コーヒーの香りは好みが分かれるかと思いますが、香りを嗅ぐとリラックス効果があることが科学的にも証明されています。
レビュー
ほんのり匂いを感じます。コーヒー豆には油分があるので、肌がとてもしっとりします。15分程でじんわり汗が出てきました。コーヒー好きは飲んで浸かって2度楽しめます!
⑤牛乳
牛乳:500ml程度
カルシウムによる安眠効果、ビタミンによる血行促進、保温や保湿に加えて美肌効果など、牛乳風呂には嬉しい効果がたくさんあります。数日であれば、賞味期限が切れてしまっていても問題ありません。
レビュー
牛乳を入れると、お風呂の温度が少し下がってしまうので、41℃くらいのお湯に入れると丁度良い温度になります。指先がすべすべしていたので、続ければ美肌になれるかも?匂いは特に気になりませんでした。
⑥ハチミツ
ハチミツ:大さじ2
ビタミン・ミネラル・アミノ酸など、身体に良い成分が数多く含まれていて、保湿効果、殺菌効果、肌の老化を防ぎ美白を保つ美肌効果があります。
ただし、アレルギーの方や小さなお子さんがいる家庭では使わないようにしましょう。
レビュー
代用品の中では、一番保湿力が高いと感じました!お湯はサラっとしていてベタつかないのに、肌はしっとり整います。香りはほとんどありません。
⑦りんご
りんご:1個
①爪楊枝などで数か所穴を開け、そのまま浮かべる
②カットしたものをネットに入れる
③皮と芯をネット入れる
冬至の「柚子湯」や、端午の節句の「菖蒲湯」に比べて、肌への刺激が少ないりんご湯。肌に成分が触れるので、無農薬のものを使いましょう。保湿や美白効果、血行促進だけでなく、りんごに含まれるポリフェノールによって免疫力UPにも繋がります。
レビュー
皮を少し厚めに剥いて試してみました。保湿力はそこまで感じなかったものの、顔や脚などが赤くなるほど温まっていて、血行促進を体感できました。見た目も楽しい、エコな入浴剤です。
入浴剤にまつわるQ&A
敏感肌でも入浴剤を入れたほうがいい?
実は、さら湯(水道水)はあまり身体に良くありません。さら湯に含まれる塩素が、皮膚のミネラルやビタミンを奪ってしまうため、乾燥肌になりやすいと言われています。お湯に物質を溶かすことで塩素の刺激が和らげられるため、敏感であるならば尚更、入浴剤を入れた方が良いでしょう。
使っている間、肌に刺激を感じたら?
すぐに湯船から出て、シャワーで全身をよく洗い流してください。肌のバリア機能が弱まっている状態なので、保湿クリームやワセリンなどでケアすることをお忘れなく!湿疹などが引かない場合は、アレルギーの可能性があるため、皮膚科で相談しましょう。
アトピーの根本的な治療については、以下の記事からご確認ください。
赤ちゃんや子どもに使ってもいい?
今回ご紹介した入浴剤では、バスボム、紅茶、緑茶であれば、肌が安定する生後3~4ヵ月頃から使うことができます。その他の入浴剤は、赤ちゃんには刺激が強く、アレルギーやはちみつによる乳児ボツリヌス症の危険もあるため、使わないようにしましょう。
小さなお子さんにとってもスキンケアは重要です。アレルギーや肌への刺激がなければ、ぜひ手作り入浴剤で保湿をしてあげてください。無添加で安全なので、少量であれば口に入ってしまっても問題ありません。
入浴剤を入れたお湯は追い炊きできる?
今回ご紹介した入浴剤は、どれも追い炊きはしないようにしましょう。給湯器を傷つけたり、パイプの中で食べ物が腐ってしまったりするので、お湯を交換する時に使ってみてください。
入浴剤を入れたお湯は洗濯に使える?
バスボム(重曹+クエン酸)は、汚れを落とす効果が高いので洗濯物にも使うことができます。アロマバスも洗濯に使うことができますが、香りがついてしまう恐れがあるので、気になる方はお控えください。食べ物を使った代用品は、色も香りもついてしまうので使わないようにしましょう。
自分だけの入浴剤で素敵なバスタイム
今回の記事では、
・バスボム
・アロマオイル
・入浴剤の代用品7選
を紹介しました。
種類を問わず、入浴剤を使うことが乾燥肌対策になります。バスボム×アロマオイル、紅茶×ハチミツのように、お気に入りの組み合わせを見つけるのも楽しいです。
刺激の少ない入浴剤があるだけで、お風呂がいつもより快適で安心する時間になります。いつも頑張っている自分に、ちょっとしたご褒美。心と身体をゆっくりケアして、素敵な毎日をお過ごしください。
関連書籍はこちらから