やろうと思っても、思いどおりに行動できない。あるいはダメだと分かっていても、やってしまう。
良い習慣が身につけられず、悪習慣に悩まれている方は多いのではないでしょうか?
良い習慣を身につけ、人生を好転させるにはどうすればいいのか。『心と体の健康十講』(東京図書出版)の著者であり、内科医の清水和彦先生は、そのポイントは”プラス感情にある”と言われます。詳細を語っていただきました。
一年の計は元旦にありといわれます。同じように、一日の計は朝にあります。あなたの一日は、どのように始まりますか?
目覚まし時計のけたたましいベルに叩き起こされ、「もう5分寝かせてほしい」と思いながら、重い心で寝床から這い出ていませんか。
「ああ、今日も一日しんどいな」と、暗雲立ち込める心で、どんな素晴らしい仕事ができるでしょう。そんな心で、晴れやかな表情となるでしょうか。どんな感動的な出会いが期待できるでしょう。
一方、朝、カーテンの隙間から差し込む心地よい朝日で自然と目覚め、何か良いことが起こりそうな期待に満ちた思いで気持ちよく起床する人もいるかもしれません。
心が明るく気持ちが前向きならば、自然と笑顔になり、誰にも元気な挨拶となるでしょう。周りの人から好かれて、何か失敗しても、カバーしてもらえるかもしれません。
同じ失敗をしても、日頃から、ろくな人づきあいもしていなければ、厳しい叱責を受けることにもなります。
どうすれば心明るく、気持ちも前向きに日々を送ることができるのでしょうか?
「分かっちゃいるけど…」人間の行動を支配するものは?
人間の行動は感情に強く支配されています。
“分かっちゃいるけどやめられない”
少し古いですが、植木等のスーダラ節の一節です。テレビの胃腸薬のコマーシャルでも使われていました。仕事帰りのサラリーマンがはしご酒をして、胃腸を壊している映像が流れていました。
“ちょいと一杯のつもりで飲んで、いつの間にやらはしご酒、気がつきゃホームのベンチでごろ寝、これじゃ体にいいわけないよ、分かっちゃいるけどやめられない”
少しくらいよいか、我慢すべきか。誰しも、日々、葛藤の連続でしょう。
厳しい罰則を課しても、飲酒運転は後を絶ちません。
「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」「一杯くらい、いいじゃないか」
少しくらい構わない、いやダメだろう。理性と感情、どっちが強いでしょうか。
言うまでもありません。激しい感情の前には、ちっぽけな理性など、まさに風前の灯火です。人間は感情の奴隷かとさえ思われます。
警察官が、スカートの中を盗撮したり、下着泥棒や痴漢行為をしたりするような、情けない愚行で一生を棒に振っています。
ギャンブル借金の穴埋めのために役場の職員や銀行員が横領をしたり、あるいはストーカー殺人をしたりなども後を絶ちません。
こんなことをしてはいけない、と小学生でも分かるようなことを、社会的な地位や立場のある人がどうしてするのでしょう。
義務感で行動しようとすると、そこには大きなストレスがかかり、精神的負担となるのです。こうすべきと頭では分かっていても、体が動きません。また、ダメだと思っても、身体が勝手に動いてしまいます。
反対に、「こうしたい、こんなことはしたくない」という好き嫌いの感情ならば、自然に動けるのです。
アップル社の元CEO スティーブ・ジョブズ氏は、
“まず必要なのは、世界に自分のアイデアを広めたいという思いなのだ”
と、情熱が大事であると主張しています。
情熱は、強くよい感情です。情熱的になり、やる気が出ると、行動的になります。
まず、何か行動を起こさないと何も変わりません。電車が動かなければ、外の景色は変わらないのです。行動変容の原動力は、感情です。
とある学習塾のキャッチフレーズは、“あなたのやる気スイッチを入れます”です。
勉強でもスポーツでも、やる気が無ければ始まりません。勉強をしたい、スポーツをしたいという情熱が第一です。
“プラス感情”が人間関係を改善し、人生を大きく好転させる
感情を分類すると、好ましい感情と好ましくない感情、言い換えると快と不快に分かれます。
快とは、楽しい、気持ちいい、面白い、好き、明るい、安心、満足、感動、感謝などの、プラス感情です。不快は、その反対、マイナス感情です。
感情をプラスに保ち、感情が正しく働けば、勝手に体がなすべきことを行ってしまいます。よい習慣が身についているともいえます。
仕事を愛し、回りの人を好きになり、自分自身も好きになるような行動を心がけるのです。
そうすると、好きな環境の中で、好きな人に囲まれて、生活し、働くことになります。こんなに素晴らしいことはないでしょう。
ずいぶん前のことですが、近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』という本がベストセラーになり、TVドラマでも放映されました。
ときめかない物は処分して、ときめく物だけを残すのだそうです。ときめく物に囲まれた生活をすることで、人生が変わるといいます。
ときめくという感覚も、快感情の一つです。
自分の周りから、マイナス感情を引き起こすものを取り除いていくということです。職場や公共の場では、それは難しいこともありますが、自宅で、自分の部屋で実践することは可能です。
感情によってイメージや思考が左右され、行動に現れます。
プラス感情は明るいイメージ、前向きな思考を生み出し、よりよい行動となります。
マイナス感情をプラス感情に換え、プラス感情を保つことで、毎日の行動や人間関係が改善するのです。
今の自分の感情はどうなのかを意識して、プラス感情を保つようにすれば、人生は大きく好転するのです。
誰でも、健康で長生きしたいという願望が強いでしょう。さらに女性なら、素晴らしいプロポーションを保ち、皆がうらやむほど美しくなりたい。男性なら、才能を発揮して成果を上げて、皆に認められたいと願うでしょう。
職場での最も大きなストレスに人間関係を挙げる人が多いようです。
人間関係を良好に保つにはどうするか。美しくなるにも、才能を発揮するにも、心身の健康にも、感情がプラス状態かどうか、快感情かどうかが、問題です。
どのようにして、感情をプラスに保ち、パフォーマンスをアップさせ、人間関係を改善し、心身を健康に保つことができるのか、今後、順次、情報発信していきます。
まとめ
- 人間は感情に強く支配されています。理性は激情にはかないません。「こうしたい、こんなことはしたくない」という好き嫌いの感情ならば、自然に動くことができます
- 感情をプラスに保ち、感情が正しく働けば、勝手に体がなすべきことを行い、良い習慣が身につき、人生は大きく好転するのです