1. 子育て
  2. 教育

ゲーム好きでも大丈夫!eスポーツで育つ子どもの5つの能力

子どものゲーム時間が悩みという親御さんは多いはず。

小・中学生のうちは、なかなかルールが守れなかったり、叱られないとやめられなかったりすることもありますよね。楽しいのはわかるけど、ゲームのしすぎはやっぱり心配。

そこで、今回は「eスポーツとしてゲームをプレイする」ことをご提案します。問題なのは、ゲームそのものではなく、ゲームとの付き合い方なのではないでしょうか。

では、eスポーツとは何か?子供にどのようなメリットがあるのか?京都eスポーツ協会会長の堀川宣和著『子供の成長はeスポーツで飛躍する!』から抜粋してご紹介します。

ゲーム好きのお子さんを持つ親御さんは、ぜひご覧ください。

(1万年堂ライフ編集部より)


売れるゲームは悪いゲーム?

私がゲーム開発者たちから聞いた話は、次のようにまとめられます。

いいゲーム=売れるゲーム=夢中になってずっとプレイしたくなるゲーム

売れるゲームほど子どもたちは夢中でゲームをしてしまい、ゲーム依存症と言われるものを生むことになります。その結果、引きこもりになったり、学力が下がることなども考えられますね。つまり、売れているゲームほど、社会的には悪いゲームになるということです。

でも私は、そのようなゲームをeスポーツとしてプレイすることで、悪い面を抑制できると考えています。

今話題の「eスポーツ」とは?

ゲーム好きでも大丈夫!eスポーツで育つ子どもの5つの能力の画像1
eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)」の略で、コンピュータゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称です。

シューティングゲームや格闘ゲーム、オンラインカードゲームなど、競技のジャンルは多岐に渡り、世界ではたくさんの選手が日々その腕を磨いています。中でも「フォートナイト」「荒野行動」「エーペックスレジェンズ」「大乱闘スマッシュブラザーズ」などは、日本の子供たちの間でも人気で、ゲームタイトルだけは知っているという方も多いのではないでしょうか。

つまり見方を変えれば、今や子供たちのほとんどがeスポーツをプレイしているということになるのです。

「所詮はゲームの延長」と、日本ではまだ多くの人がeスポーツに対して懐疑的ですが、「eスポーツとゲームは違う」ということを強調しておきます。eスポーツとゲームの大きな差は「他者と競う」ところです。もちろん一人でするものもありますが、強くなるためには情報収集や強いプレイヤーとの対戦経験が必要になります。

私もダラダラとゲームをすることは悪いことだと思います。しかし、eスポーツとしてプレイすることで、子供の5つの能力を成長させることができるのです。

子供が成長する!eスポーツのメリット5選

①コミュニケーション能力の向上

「ゲームは一人で遊ぶもの」というイメージから、eスポーツをすることが、逆にコミュニケーションの妨げになると思っている方が多いのではないでしょうか。

現在、全国の高校や大学には、eスポーツのサークルがたくさんあって、ほかのチームや学校と定期・不定期に対戦しています。大切なことは、世界で行われているeスポーツの競技はそのほとんどが”チーム戦”だということです。

プレイ中は、イヤホンとマイクを使って、メンバーと熱く会話をしながらバトルを繰り広げます。競技で勝つためには自ずと「チームワーク」が必要となり、まわりと友好な関係を築かなければなりません。こうしてみると、コミュニケーション能力の向上について、他のスポーツと全く変わらない効果を持っていることがわかると思います。

また、eスポーツであればオンラインで、家にいながら仲間たちとコミュニケーションを取ることができます。eスポーツは、コミュニケーションが苦手な子や、学校に行くのが難しい子であっても、友達と繋がることができる新たなコミュニケーションツールなのです。

②デジタルリテラシーが身に付く

「デジタルリテラシー」とは、パソコンやスマホ、またはそれらにまつわるアプリや通信環境、SNSや動画配信サイトなど、ありとあらゆるデジタルにまつわる知識や、そこでの倫理観なども含めたものを言います。

今の時代、デジタルを使えることは当然のこと。子供がデジタルに強くなるということは、いつ、世界のどこにいても生きていける力を持つということなのです。

eスポーツの試合は、YouTubeなどに代表される動画配信サイトで中継が行われます。そして、ファンは、その動画配信の内容を友人たちと共有します。その方法として、学校で直接話すこともあるのですが、それだけでなく、TwitterなどのSNSを利用して、同じeスポーツに興味のある、日本中、あるいは世界中の人々と情報のやり取りをするのです。

その意味では、eスポーツが好きな子供は親よりも最新のメディアを使いこなすことができていると言えます。

③クリエイティビティ(創造力)が育つ

日本国内でeスポーツ業界が本格的に動き出したのは2018年。他のスポーツと比べてまだまだ整備されていないeスポーツ業界では、プレイヤーを指導できる人材がかなり少ないのです。

そんななかで学生たちは、自分たちで知恵と労力を出し合って、強いチームを築こうとしています。

本当に好きなことを一生懸命、仲間たちとともに道を切り開いて、そして強くなっていく。その活動を通して、「言われたことをする」だけではなく、「自ら率先して考えて実行する」人材になるわけです。

この創造力や率先力が、eスポーツでは、それだけ育つ環境になっていると考えられます。

④グローバル感覚が向上する

eスポーツをすると、多くの国の人と、実際の対戦やSNS・動画の配信で直接触れる機会が多くなるので、結果として異文化と触れる機会が多くなります。

ほかのスポーツで海外と近しくなれるのは、国際試合によく参加するトップレベルの選手に限られます。それがeスポーツでは、それほど難しくありません。ある程度プレイレベルが上がれば、オンラインで世界中のプレイヤーと簡単に対戦、競技ができるので、それが可能になるのです。

さらに、eスポーツで強くなるために監督やコーチの助言をもらうことがないため、世界のトップレベルの人たちの動画を見て技術などを学ぶことになります。もちろん海外の言葉なので、その言葉を理解したいという気持ちが強まります。

このようなことから、eスポーツプレイヤーは海外を身近に感じることで、世界への関心が高まり、グローバル感覚を身に付けることができるようになるのです。

⑤ビジネス感覚の発達

今のeスポーツ業界を支え、牽引している人たちは、「創造力」「率先力」「行動力」「マネジメント力」が、ほかの一般的な企業に勤める若者たちよりも数段高く感じます。いずれ、ソフトバンクの孫正義さんや楽天の三木谷浩史さん、ZOZOの前澤友作さんのような人が排出されるでしょう。

今はまだ小学生や中学生だとしても、eスポーツをプレイすることによって、この世界で一生懸命活動している人たちの背中を見られるのです。そのような方々と共に過ごすことは、eスポーツに関係する子供たちの今後の生き方に大きな影響を与えます。

親が応援すれば子供の未来は明るい

ゲーム好きでも大丈夫!eスポーツで育つ子どもの5つの能力の画像2
今の時代、「ゲームをするな!」と言うほうが無理な話です。学校での大きな話題の1つはeスポーツになっています。かつての野球やサッカーのようなものです。子供の世界では、友達との間で話題についていけないのは寂しいものです。

メリハリ、ケジメなくゲームを続けることにメリットはなく、デメリットばかりが多くなってしまいますが、eスポーツという競技に強くなるために練習しているのなら、親はそれを応援するべきだと思います。

子供のやっていることに関心を持って、一緒になって家族団らんで話すことができれば、子供は親が理解して応援してくれているという安心感で、ゲームによる罪悪感からくるストレスがなくなり、気持ちよくプレイできます。

そうすると生活にもメリハリが出てくるようになり、親の言うことにもしっかり耳を傾けてくれるようになるでしょう。みなさんのeスポーツの理解が、少しでも深まることを願っています。

~新刊のご案内~

この度、1万年堂出版では『子供の成長はeスポーツで飛躍する!』を発刊いたしました。

  • eスポーツで学力は低下しない
  • eスポーツは家族を明るくする
  • eスポーツで引きこもりがなくなる

などなど、今回はご紹介できなかったメリットも余すところなく解説しています。

eスポーツに魅了される子供の気持ちに共感でき、eスポーツを通してたくましく成長する子供の姿を、安心して見守ることのできる一冊です。