育てにくい子にも、さまざまな特徴があります
- 泣き止まない
- 眠らない
- 敏感すぎる
- こだわりが強い
- 順応性がない
- すぐ怒る
- パニックになる
- 変化が苦手
- しつこい
- 乱暴
情緒が乱れやすく、行動が極端なので、親は子どもの言動に振り回されて、育てにくいと感じます。
人一倍敏感な子(HSC=Highly Sensitive Child)や、発達障がいの場合もありますが、それに関わらず、子育ての現場では熾烈な戦いが繰り広げられています。
朝起きた瞬間から、大絶叫。
過度なこだわりに、しつこいダダこねで、食事も着替えも一苦労。
出かけ先で地雷が爆発、ひっくり返って泣きわめき、周りから白い目で見られます。
疲れ果てて夜になっても、寝かしつけに2時間、夜泣きでまた2時間……。
こんな毎日で、父親の帰りが遅く、実家にも頼れず、疲れとイライラが限界を超えれば、親だって噴火してしまいます。
「いいかげんにしろー!」と怒鳴り散らして、自己嫌悪に陥って、こんな自分は母親失格だと涙も出てきます。
心身の健康が損なわれる場合もあります。そんな中、家事もこなさなければならない。
人一倍育てにくい子のママは、人一倍、がんばっているのです。
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人一倍敏感な子、こだわりが強い子になるのは、育て方が悪いから?
「ちゃんと叱らないから、言うことを聞かないんだ」
「甘やかしたから、わがままに育ったんだ」
このような非難の声を、しばしば聞きます。
子どもは「わがまま」のレッテルを貼られ、親は「しつけが悪い」とダメ出しされ、親子ともども苦しい思いを強いられます。
そして育児に自信が持てなくなり、「こんなダメ親に育てられるこの子がかわいそう」と自分を責めてしまいがちです。
しかし、同じ親から産まれたきょうだいでも、性格がまったく違うように、育て方が関係しているのは、ほんの一部分で、その子が持って生まれたもののほうがずっと大きいのです。
だから、こういう子は誰が育てても大変なのです。
あまりクヨクヨせず、「持って産まれたものならしかたない、あとはなるようにしかならん」と、ドーンと構えていたほうが、親も子どもも楽になり、かえって子どものよいところが見えたりしますよ。
肩の力を抜いて、子どもをよーく観察してみてください。
曇りガラスが晴れるように、素敵な個性がキラキラ見えてくると思います。
子どもの日々の言動は、たいてい、子どものもともとの性格による部分が大きいです。そこまで親はコントロールできません。
むしろ、いろんな子があって、世の中バラエティに富んで面白くなっているわけですし、そんな個性的なキャラクターを世に送り出した、ということで、ほめてもらってもいいのではないかと思います。
出典 明橋大二(2004).P206~207『この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ』1万年堂出版
「育てにくさ」に表れる個性は、それ自体が欠点でも不幸なのでもない
一番大事なのは、「このままの自分でいいんだ」という気持ちを育てること。
本来、個性そのものに善悪はありません。
なのに、悪く見えて、直そうとしてしまいます。
なんとか「普通の子」にしなければと思うのは、「あなたはあなたのままではダメなのだ」と、わが子を否定することにつながります。
出典 佐々木正美(2016).P49『佐々木正美先生の子育てお悩み相談室』主婦の友社
否定のメッセージを受け取った子どもは、心の底に「自分はダメなんだ」という思いをため込んでゆきます。
また、周囲からも叱られることが多いので、どうしても自己肯定感を下げてしまいがちです。
自己肯定感が下がると、二次障害を起こし、もっと手に負えない状態になる可能性があります。
自分の存在に自信が持てないことほど、不幸なことはありません。
育てにくい子だからこそ、一番大事なことは、「よいところも悪いところもひっくるめて、受け入れられ、愛されている」という気持ちを育てること。
「このままの自分でいいんだ」という安心感、自己肯定感が育つように、「あなたは大事な存在なんだよ」「大好きだよ」と繰返し伝えてゆく。
これに尽きると思います。
そして親も、「この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ」と思えることが目標です。
子どもを変えようとするのではなく、そのまま受け入れ愛することで、子どもは生き生きと育つことができ、個性が輝いてゆくでしょう。
まとめ
- 育てにくさは、HSCや発達障害の場合もある。熾烈な子育ての現場で、ママは人一倍頑張っている!
- 個性的な性格は、子どもが持って生まれたもの。しつけや、育て方の問題ではない。
- 育てにくい子だからこそ、自己肯定感をしっかり育むことが一番大切。「この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ」と思えることが目標。
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