最高の学習効果をもたらす親のあり方 #16

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「学校に行きたくない」子への接し方|親がかけたい言葉とは

「勉強にやる気が出なくて、学校の授業についていくだけでも心配……。うちの子、大丈夫かな?」

6月18日、境界知能HSCのお子さんを持つ親御さんを対象に、オンラインセミナー「育てにくい子がみるみる勉強にハマる!マル秘学習法」が開催されました。

講師は、『子どもを伸ばす母親力の磨き方』の著者、阿部順子先生。今回は、子どもが「学校に行きたくない」と言った時の対応についてお聞きしました。

(1万年堂ライフ編集部)
前回の記事・ゲームに関する質問はこちらから

【質問】学校に行きたくない子ども、どう対応する?

子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、どのような対応をするのが良いのでしょうか?

【答え】落ち着いて話を聞き、原因に合わせて慎重に判断しましょう

親がパニックになることを想定して、本音を言えないお子さんがほとんどかと思います。HSCのお子さんは特にその傾向が強く、ずっと我慢したまま生きづらさを感じている子もいます。ですので、お子さんが「学校に行きたくないこと」を親に言えるのは、子育てがうまくいっている証です。

たいてい、「行きたくない」と言ってくるのは登校の直前です。親も仕事の準備や家事で忙しくしている朝は、どう答えたらよいか余計にわからなくなると思います。

対処の仕方はお子さんの状況によってそれぞれですが、どのような場合でも、落ち着いて話を聞くことが1番大切です。そうするためにも、お子さんが学校に行き渋った時に、どのように対応するかを、事前に考えておきましょう。災害時に備えておくのと一緒です。備えておけば、いざという時に落ち着いた対応ができます。

勉強の悩み、運動の得意不得意、先生やお友達との人間関係、子どもたちは学校生活を通して、様々な壁にぶつかりながら成長しています。長い学校生活で、行きたくない時がない方が珍しいのではないでしょうか。そのように捉えるだけでも、子どもに対する気持ちや風当たりは変わってくると思います。

「学校へ行かせなければならない」という気持ちが強いと、親も子どもも苦しくなってしまうので、どうぞ、柔軟な気持ちで対応してみましょう。

「学校に行きたくない」子への接し方|親がかけたい言葉とはの画像1

我が家のことをお話ししますと、現在小学5年生になる三男が一時不登校になりました。信頼していた担任の先生が今年の1月に産休となり、代替えでいらっしゃった先生とは馬が合わなかったようです。

友達が多く、家の都合でも休みたがらなかった息子が初めて「行きたくない」と言ったので、2か月間休ませました。学年が上がり、担任の先生が変わった4月からはまた元気に登校しています。

休んだ2か月間、私が時間を取れる時は、国語・理科・社会の教科書を一緒に読み、1人の時は漢字・計算ドリルをやっていました。

学校に行かせるか休ませるかについては、内容によって休ませた方がいい時とそうでない時があるので、慎重にご判断ください。「阿部教育研究所」では、現在不登校の相談も行っておりますが、ひとりひとり原因も対応の仕方も違います。

息子の場合、担任が変われば登校できるだろうということ、学年が上がるまでの期間が2か月と短かったこと、この2点を踏まえて、学校を休ませる判断をしました。

特定の友達との仲違いなど、一時的なトラブルが原因であれば、休ませてもいいと思います。けれども、コミュニケーションが苦手で、クラス全体を通した人間関係が原因となっている場合は、不登校が長期化する可能性が高いです。学校の先生に相談し、クラスメイトや先生の支援を受けながら、少しずつでも登校できるようにサポートしてあげられるといいと思います。

また、学年が変わってすぐに、担任の先生と馬が合わないと感じるようであれば、相談を重ねることをお勧めします。担任の先生が子どもの気持ちや気質を理解してくだされば、学校が過ごしやすい場所となり、登校できる可能性が高まります。
「学校に行きたくない」子への接し方|親がかけたい言葉とはの画像2

担任の先生と相談する時のポイントは2点です。

(1)親だけの判断で突っ走らず、子どもと相談の上、動くようにしてください。親の行動によっては子どものプライドが傷つき、さらに行きにくくなることがあります。

また、子どもが本当に求めている行動を取ることで、親子の信頼関係が増します。何か困ったことがあった時も、子どもが1人で抱え込まず、親子で対応できるようになると思います。

(2)担任の先生へは、誠意を持って相談しましょう。どのような場合であっても、先生も1人の心を持った人間です。相談を重ねる中で先生との信頼関係ができれば、全力で努めてくださるようになるでしょう。

お子さんを、どのような大人に育てたいですか?

「子育ては親次第」とも言われますが、全てがそうではありません。子どものやる気や気持ちは、親や周囲の関わり方によって大きく変わってきます。

現在は情報過多の時代で、何が正しいのか迷うことが多々あるかと思います。そんな時は、ぜひ一度「お子さんをどのような大人に育てたいのか」、子育ての指針を見直してみてください。いま何を優先すべきかが明確になると思います。

では、何を見直せば良いのでしょうか。また、子どもとより良い関係を築いていくためには、どのような親であればいいのでしょうか。これもまた、親子によって様々です。

詳しくは『子どもを伸ばす母親力の磨き方』でご紹介していますので、ご興味のある方は参考にしていただけると幸いです。

よくあるご質問につきましては、阿部教育研究所のnoteで順次取り上げさせていただきます。また、Twitterでも日々のつぶやきや、子育てを支えるアドバイスを投稿しております。お役に立てたら嬉しいです。
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