「子どもの才能を伸ばしたい、子育てにコーチングを取り入れたい」と思っても、何から、どうしたらいいのか分からない。
そんな方に、「これを心がければ子どもを伸ばすコーチングママになれる!」という簡単な心がけをお伝えします。
自分の能力を存分に発揮できる子は、何がちがうの?
将棋界では14歳でのプロ棋士デビュー、初戦から29連勝の最多連勝記録を更新し連日メディアを賑わせた藤井聡太四段。
卓球では、13歳で世界選手権に出場し、リオオリンピックメダリストの水谷選手を破った張本智和選手ほか、中学時代から「みうみまコンビ」で世界を席巻する平野美宇選手、伊藤美誠選手。
サッカーでは、若干9才で世界的名門クラブに認められた久保建英選手。
若いうちから才能を発揮して世界的な活躍をしている子ども達がいます。
そこまでとはいかなくても、親であれば子どもに本来持っている才能、能力を発揮してもらいたいと思うもの。
とはいえ、わが子を見ると、言うことは聞かない、宿題はやらない、部屋は散らかしっぱなし…。
「いったい、この子にどんな才能があって、どうやって伸ばしていけばいいの?」と、ため息をつきたくなる気持ちになることもあるかもしれません。
そんな方に、これ一つ知っていただきたい心がけがあります。
可能性を伸ばす、コーチングの三大原則とは
コーチングとは、ごく簡単な言葉で言うと「人の可能性を伸ばすコミュニケーション方法 」です。
コーチングには相手に接する時の3つの心がけがあります。
- 答えや能力は相手の中にある
- 100%相手の味方になる
- 誰一人間違っている人はいない
この3つを子どもに当てはめてみると、
①答えや能力は相手の中にある
相手は子ども。まだまだ未熟なので、大人に接する場合と違って、相手の可能性を引き出すコーチングよりも、教える(ティーチング)や援助(サポート)が必要な場面が多くあります。
しかし、もう2歳にもなれば正確に言語化ができなくとも「自分はこうしたい」という意思表示をできるようになってきます。
言葉が通じるようになったら、「~しなさい」と指示・命令をするのではなく、「〇〇はどうしたいの?」「どうしたらいいかな?」と、お子さんに聞いてみてください。
案外大人が思っている以上に自分のやりたいこと、やらなければならないことがよく分かっていますよ。
心の育て方を教えられている、「子育てハッピーアドバイス」シリーズの著者で心療内科医の明橋大二先生は、失敗からも答えが導き出せることを、こう書かれています。
子どもには、どんどん失敗させる。先回りして、指示、命令するのでなく、失敗から学ぶことを教える。失敗したときに、それを責めずに、今後、どうしたら同じ失敗をしなくなるか、一緒に考えてみます。
(出典 明橋大二著(2005).P114『子育てハッピーアドバイス』)
②100%相手の味方になる
子どもたちは、家以外でさまざまな評価を受けて帰ってきます。
それが、よいことをした時、いい点数を取った時、言うことを聞く時はうちの子、家族の一員と認められる。
一方、悪いことをした時、成績が悪かった時、わがまま言った時には家から追い出される。
家庭でこのような対応だと、常に戦々恐々としてしまって心が休まる場所がありませんよね。
誰でも成功する時もあれば失敗する時もあります。
悪いことをした時に悪いと伝えることは必要ですが、親は絶対的に100%子どもの味方になる。
どんな状態でも変わらず愛してくれる、受け入れてくれる、そんな安心安全な“心のHOME”があってこそ、明日も学校がんばろう!と意欲がわいてくるものです。
親からの最高の贈り物
「自分のいいところも悪いところも、みんな受け入れられ、愛されている」これ1つ伝われば、子どもは輝きます。
(出典 明橋大二(2010).P20『子育てハッピーアドバイス大好き!が伝わるほめ方・叱り方』)
③誰一人間違っている人はいない
子どもたちが、一見間違っている、よくない、と思われる行動をとるのには、必ずその行動をとらねばならなくなった原因があります。
よくよく子どもたちの話を聞いてみると、何の理由もなしに、そうなっているのではない、というのがわかります。
「荒れる」のは、それだけ、鬱屈した感情があるからですし、
「引きこもる」のは、そうでもしないとどんどん傷つく現実があるからです。
「ウソをつく」のは、本当のことを言ったら、よけいひどい目にあうからですし、
「やる気がない」のは、やる気で意見を言っても必ず否定されてきたからです。
(出典 明橋大二著(2007).P3『10代からの子育てハッピーアドバイス』)
親である私たちは、このような心の仕組みを知って、表面に出てくる言動を見て一方的に叱らず、悪いことをしてしまう背景にも目を向け、「あなたは間違ってないよ、○○してしまうほどつらかったんだね、そんな中、よく生きているね。がんばっているね」と肯定的な接し方をしてみてはどうでしょうか。
実践編:ヒーローインタビューをするように
子どもの可能性を伸ばす3つの心がけをお伝えしましたが、急に言われても全部一度にはできない、と思われたのではないでしょうか。
そんな時は、「子どもをヒーローだと思って接する!」この心がけ1つで大丈夫です!
心理学では、人は扱われたとおりの人間になっていく、という「ピグマリオン効果」というものが教えられています。
まずは自分の子どもを野球で決勝打を放ったヒーロー、オリンピックでメダルを取ったヒロインとして接してみてください。
自然と3つの心がけを満たした接し方になるんです。
そして、スポーツのヒーローインタビューを思い出してみてください。
あくまでヒーローが主役で、インタビュアーはヒーローの引き立て役。
インタビュアーはヒーローの言葉に相槌を打ち、共感しながら、簡単な質問でヒーローの素晴らしいところを引き出していきます。
インタビュアーがヒーローの言葉をさえぎったり、自分の意見を語り出すことはありませんよね。
この心がけ、聞き方が、子どもの自主性や可能性を引き出す関わり方になります。
さっそく今晩にでも、お子さんをヒーロー、ヒロインとして今日一日あったことをインタビューしてみてください。きっと、今までとは違う話が聞けると思いますよ!
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