今回のテーマは「精進」です。
伝統芸能やスポーツの世界などで、「精進いたします」と語られる場面を見かけたりしますね。
なんとなく意味はわかるという方が多いと思います。
「精進」を失ってしまったらみじめな人生になっていきますので、ぜひとも忘れないようにしたいものです。
「精進」とは努力すること
精進は仏教で勧められる大変良い行いの1つです。
精を出して進むこと、精一杯進むことで、わかりやすく言えば「努力」することでしょう。
「精進料理」という言葉があります。
いわゆる肉や魚が入らない、野菜・豆・山菜・豆腐などを使った料理のことです。
「精進」と入っているので、肉や魚を食べないことが精進だと思われる方もあるかもしれませんが、何を食べるかは関係ありません。
肉や魚を食べたほうが精進(努力)できるなら肉や魚を食べたらいいですし、野菜や豆などを食べたほうが精進(努力)できるならそれらを食べればいいのです。
とにかく昨日よりは今日、今日よりは明日。
少しでも前進しよう向上しようと心がけていくことが大事です。
努力を心がけていく人は成功することでしょう。
活躍の陰には必ず努力がある
成功者はみな努力家です。
努力を嫌って成功した試しはありません。
女優の橋本環奈さんは、映画やドラマをはじめ、さまざまなところで活躍し、大変人気を博しています。
容姿がきれいだからというのも、もちろんあるでしょう。
しかし、彼女の人気の理由は、それだけではなかったのです。
マネージャーさんが、橋本さんの陰の努力を語っていたことがありました。
映画やドラマには多くの数のスタッフが関わっています。
そんな中でも、橋本さんは数百人のスタッフの名前をすべて覚えてコミュニケーションをとっているのだとか。
出演者と会話しているときには、どんな話題にもきちんと理解してついていけるそうです。
それは、知らない話題があれば、家に帰ったあとで徹底的に勉強しているから。
なかなかできるものではありません。
私たちは結果だけを見てしまいがちですが、活躍の陰にはたゆまぬ努力が隠れているものなのでしょう。
怠け心に負けず、努力を続けるコツ
努力が大切だということは誰でも知っています。
ところが、実行はなかなかできないものです。
「健康のため、運動でも始めてみようかな」
「家計簿をしっかりつけよう」
「断捨離しよう」
決意して始めても、次第に怠けたい、楽したい心が出てきます。
頭では精進(努力)が大事だとわかっていても、「1回ぐらいサボってもいいだろう」が積み重なって、努力をやめてしまうことはないでしょうか。
精進していくのは大変なことですので、続けるときには、やはり「縁」が大事になってきます。
「縁」とは、つきあう人や周りの環境などのことです。
周りのみんなが一生懸命やっている環境にあれば、自ずと頑張ろうという気持ちが起きてきやすいものです。
反対に、怠けてサボっている人ばかりの環境では、頑張ろうという気持ちも起きにくいでしょう。
たとえば運動などでも、一人でやるよりも同じように思っている友達や仲間と一緒にやったほうが続けやすいものです。
少しでも縁を工夫していくことが、精進(努力)を続けるコツの1つです。
努力は必ず報われる
このように精進について話すと、「努力したって、必ず報われるわけじゃない」と言われる方があります。
一生懸命勉強したけど、合格できなかった。
日々練習を積み重ねてきたけど、試合で結果を残せなかった。
たしかに、努力したけれど思ったような結果につながらないということも多くあります。
しかし仏教では、遅いか早いかの違いはあっても、努力したことは必ず報われると教えられています。
短期的に見れば、報われなかったと思えるようなこともあるでしょう。
ですが、5年、10年、20年と長い目で見たらどうでしょうか。
一生懸命取り組んできたこと、日々欠かさず積み上げてきたものが、思いもよらない形で結果に結びつくものです。
実際に、今結果を残している方の中には、今まで多くの失敗や挫折を味わってきたという方が多くいます。
そういった方々が次のように言われるのです。
「あの時はうまくいかなかったけど、あの時の努力や頑張りがあったから、今に活かされている」
「当時はまったく違う分野で頑張っていて結果につながらなかったけど、そこで培ったものが、まさかこんな形で役に立つとは思ってもみませんでした」
頑張ったことは必ず身になることがわかります。
まとめ:「精進」は決して無駄にならない
一時はうまくいかなくても、仏教で教えられるように、努力した分は必ず結果となって返ってきます。
一番大事なのは努力をやめないことです。
やめてしまえば、それ以上の結果は望めません。
もちろん、思ったような形にならないこともあるでしょう。
しかし、諦めずコツコツ続けていけば、努力がムダになることはないのです。
頑張った結果は必ず自分に返ってくるのだよと教えられています。
たゆまず、精を出して進んでいく精進(努力)を心がけたいものです。
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