最近、少子化対策として、女性の働きやすい環境づくりが注目されています。
でも、実際の感覚はどうでしょうか。
「二人目は欲しいけど、今の状況ではとても……」
「キャリアを活かせるような仕事に就ける気がしない」
といった声が聞こえてきます。
そんな働く女性の悩みについて、企業でのキャリアデザイン支援や、コミュニケーション研修を行っている、新谷典子さん(著書『すべてを叶える』)と、産婦人科医(大阪公立大学)の小西菜普子先生に語り合っていただきます。
かねてから、著者の新谷さんの友人だった、女医の小西先生。
『すべてを叶える』に共感され、産婦人科医として、ぜひ全女性に知ってほしいということで、この度の対談が実現しました。
女性のライフイベントを活かしながら、本当に満足できる働き方、生き方をしていくには、どうすればいいのでしょうか。
3回に分けてお届けしたいと思います。(1万年堂ライフ編集部)
目次
【仕事と子育て】両立するために、一番大切なことは?
新谷典子さん(以下、新谷さん):
仕事と子育てについて、今日は、産婦人科の女医さんとお話ができるということで、とても楽しみにしておりました。
コンサルティングをする中で、30~40代の女性からよく聞かれるのは、やはり、出産後のプライベートと仕事のバランスですね。
小西菜普子先生(以下、小西先生):
キャリアを重ねつつ、プライベートも充実させたい。その気持ち、よくわかります。
新谷さんの著書『すべてを叶える』を読ませていただき、そんな自立する女性にとって、人生の芯や根っこになるものを大切にする考え方に、とても共感しました。
新谷さん:
ありがとうございます。
私たちはつい目の前のことに一杯一杯になって、
「好きな仕事に就きたいけれど、子育てがあるから無理」とか、
「子育てに専念したいのに、仕事に復帰しなきゃ」とか、
自分の本当の願いが何かさえ、分からなくなってしまうことがあります。
小西先生:
はい。
キャリアアップと結婚・子育ての両立のためには、まず、自分自身と深く向き合う必要がありますよね。
人生で一番大事にしたい芯や根っこがはっきりすれば、限られた時間の中で、次に何に取り組めばいいのか分かります。
段取りも、整理整頓していけると思います。
新谷さん:
そうですね。
本の中にも書きましたが、「咲きたい場所は私が選ぶ」ということが大事ですよね。
それと同時に、選んだ場所をよりよく変えていく努力も必要だと思っています。
小西先生:
私たち産婦人科医も、志望するのは女性のほうが多いと聞きます。
でも外科系なので、子育てをしながら続けるとなると、やはり働きやすい環境がすごく重要になってきます。
実際、女医が増えた職場では、完全主治医制だと回らなくなって、シフト制も考えなきゃ、となったことも。
新谷さん:
変化に応じたアップデートが必要ですよね。
出産後の働き方ついては、よく、
「仕事と子育ての両立について、ヒントを下さい。仕事へのモチベーションをどう上げたら?」
と聞かれることもあります。
仕事も大事。けれども、だからこそ家庭にいるときは、今、目の前にいる子どもの心にフォーカスすることが大事なのではないかな、と考えています。
小西先生:
確かに。
本能的なところで考えると、出産後に子どもに目が向くのは当たり前のことですよね。
まずは、その気持ちに正直になっていいと思うんです。
子どもにしても、あの小さな時期に愛情を存分にもらえるのはとても大事。
それを本能で感じ取り、受け止めようとしています。
新谷さん:
まずは本能に従う(笑)、その通りですね。
何より、自分の本当の気持ちに問い掛けてみる。
そうすれば、自然と子どもの心を受け止めた行動になっていきますし、それがそのまま、モチベーションになるということですね。
反対に、「モチベーションがない」というのは、今、本当に自分のしたいことではないのかもしれません。
小西先生:
今は産休・育休が制度になっていて、それはそれで有難いことですが、休みが終わると強制的に「仕事モードに入らなきゃ!」となるんですよね。
モチベーションが出ないのは、別に怠けているわけじゃないと思います。
新谷さん:
そうですよね。
子育てに専念したいなら専念してもいいし、育児だけだと、社会から隔絶された気持ちになるなら、働きに出てもいい。
大事なのは「どうすべきか」も、さることながら、「どうしたいか」だと思っています。
それを心掛けることで、子育てしつつ、仕事する場合のモチベーションも上がる傾向にあります。
小西先生:
社会との関わり方でも、「何が何でも稼がなきゃ」というなら、状況に合った仕事を選べばいい。
特に生活に困ってないなら、仕事以外でも、自分のスキルを活かした関わり方はたくさんあると思うんです。
それがやがて、仕事として成り立っていくこともあるかもしれません。
ネット社会では、自分に合ったロールモデルを見つけることも簡単です。
ダイレクトにつながれる分、選択肢はどんどん広がってきていると感じます。
産婦人科医師(産婦人科専門医)
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