ハッピーマインドの磨き方 #12

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幸せのコミュニケーション術とは~女性のライフイベントを活かした働き方【後編】

【対談】『すべてを叶える』の著者、新谷典子さんと、産婦人科医の小西菜普子先生の対談(後編)です。

【コミュニケーション】さまざまな価値観を学び合い、支え合う

新谷さん:

最後に、「コミュニケーション」の在り方について、お話しできればと思います。

家庭、仕事、友人関係など、どの場面においても、コミュニケーションはとても大事ですよね。

先日、探究学習で全国的にも注目されている、京都市立堀川高等学校の飯島弘一郎教諭の文章に触れる機会がありました。

そこで、コミュニケーションについての示唆に富む言葉があったので、ご紹介したいと思います。

三木那由他氏の近著『会話を哲学する』(光文社新書)を手に取った。三木の定義によれば、コミュニケーションとは 「発言を通じて話し手と聞き手のあいだで約束事を構築していくような営み」であり、マニピュレーションとは「発言を通じて話し手が聞き手の心理や行動を操ろうとする営み」である。

(中略)

諸君は「コミュニケーション」ができるようになったか? 会話や議論の際、自分はすべて正しいという前提に立つのではなく、自分が間違っている可能性を考えて、相手に対しているだろうか? 自分と相手の中間地点で妥協するのではなく 自分も相手も思いもよらなかったような深い(高い)レベルに向かって、手をつないで潜って(登って)いくような意識をもっているだろうか?

(京都市立堀川高等学校 学年通信「阿吽」より引用)

新谷さん:

私自身、家庭や職場で、そして子どもに対して、「マニピュレーション」に偏っていないか、いつも自分に問い掛けています。

小西先生:

医師にとっても、コミュニケーションはとても大切だと感じています。

特に患者さんは、医師に意見を言いにくいのが正直なところだと思います。「まな板の上の鯉だから、先生の言う通りにします」と言う方も少なくありません。

でも、実際に治療を受けるのは、患者さんですよね。

その受け手である、患者さんが納得してこその医療だと思います。

幸せのコミュニケーション術とは~女性のライフイベントを活かした働き方【後編】の画像1

小西菜普子先生
大阪公立大学
産婦人科医師(産婦人科専門医)

新谷さん:

子育てや教育も同じで、受け手である子ども自身が、意見を言えることって大事ですよね。

先日も娘に、「こうしたほうがいいよね」と当然のことのように言ったら、

「私はそう思ってないし、そうするつもりもない。お母さんはちょっと誘導しすぎ」

と怒られたことがありました。

子どもたちから教えられることも多いです。それを仕事にも活かしています

だからこそ、朝から晩まで、楽しい学び手でもいられるのだと思います。

小西先生:

さまざまな価値観から学び合えるのは素敵です。

人はそれぞれ、育った環境、年齢、立場が違うので、たとえ親子であっても、考え方に違いが出てくるのは自然なことだと思います。

学生時代、私は受験という大きな課題を前に、人と成績を比べることが全てだったような気がします。

ところが、実際に働き出すと、いろんな業種の方に触れ、これまでの考え方が窮屈だったなと感じました。

新谷さん:

医師を目指すというだけでも大きなチャレンジだと思います。そこからさらに、視野を広げられたということですね。

小西先生:

はい。
一つの価値観に縛られると、新谷さんの著書の中の ひとつでは多すぎる」(『すべてを叶える』P212) 状態になります。

これまで産婦人科医として働いてきた中で、女性は、妊娠、出産、育児と、その期間、それだけで頭がいっぱいになってしまいます。

一つの価値観だけで、他人と自分とを比べてしまうのです。そして、少しでも自分が劣っていると思うと、すごく罪悪感を抱いたり……。

でも、実際は、さまざまな妊娠期間の過ごし方、いろいろな出産経験、そして、一人一人違った子育てがあります

他人と自分は何もかもが違うし、同じようにいくとは限らないのです。

たくさんの役割があるからこそ、たくさんの人とのコミュニケーションが取れ、たくさんの視点が得られることは素晴らしいことだと思います。

新谷さん:

本当に、おっしゃるとおりです。

そのためにも、コミュニケーションというのは、お互いを尊重し合い、学び合えるものになるよう、私もハッピーマインドを磨いてゆきたいと思っています。

小西先生:

新谷さんと会話をしていると、自然と暖かくなるような、場が和むような瞬間を幾度となく感じさせてもらいました。

表情、仕草、言葉遣いなど、相手も自分もハッピーになるような振る舞いが自然と溢れ出てくるような、そんなコミュニケーションを心掛けたいですね。

新谷さんの著書には、その根底となる、経験に裏打ちされた考え方があると感じます

人間誰しも、嬉しいこと、辛いことはあると思いますが、その経験を生かすも殺すも自分次第、考え方一つなんだなと思いました。

新谷さん:

ありがとうございます。

小西先生とは、接するたびに、私ひとりでは思いもよらなかった深い思考ができたり、やる気を高めていただくひとときを共有できるので、こんな素敵な異業種の友達に恵まれ、ハッピーです。

小西先生、これからも一緒に、頑張る女性を応援してゆけたらと思います。

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