子どもがなかなか言うことを聞かずに悩んでいる親御さんは多いと思います。
どんな接し方をすれば、子どもと良い関係を築いていけるのでしょうか?
叱るのではなく「認める」を実行すれば子どもの自己肯定感も高まり、信頼関係も育まれ、叱ることも減っていくのです。
コーチングの基本でもある「認める」ことについて、この記事から学びましょう。
ほめ上手になれば叱ることは減っていく
普段子供と接していると、子どもの「できているところ」より「できてないところ」に目が向きがちです。
あいさつができない、ご飯を一人で食べられない、片付けができない、お友達と仲良くできない、言うことを聞かない、わがままを言う、などなど。
挙げだしたらキリがないほど出てきますよね。わが家でも以前はそうでした。
そして、そのできていないところができるようになる「叱り方」を知りたいと私も思っていました。
しかし「子育てハッピーアドバイス」シリーズの著者であり、心療内科医の明橋先生は著書の中で、このようにおっしゃっています。
「子どもの叱り方を学ぶ前に、まず、ほめ方を学ぶ必要がある」ということです。
実はほめ方が上手になれば、それだけで、叱ることが減ってくるのです。
(中略)
「ほめる」とは、子どもを評価することではありません。
子どものがんばり、成長を見つけて、その喜びを伝えていくことです。
「叱る」とは、子どもに腹を立てることではありません。
子どもが、自分も他人も大切にできるように、一つずつ教えていくことです。
(『大好き!が伝わるほめ方・叱り方』「はじめに」明橋大二著 より引用)
なるほど、ほめ方が上手になれば叱ることが減っていくので、まず身につけるのはほめ方なのかと。
では次にほめることが大事とはわかっても、どうやってほめればいいか。
「ほめ方・叱り方」の本にたくさんの具体例が書かれていてもわからない。「目の前のわが子にいいところなんかあるのか(必ずあるはずですが)」「どうやって見つけて、どうほめたらいいのかわからない」という方も多いことと思います。
そんな方に、わが家で実践してとても効果があった、カンタンに子どもの行動が変化する「認める(承認)」というコーチングのスキルをお伝えします!
コーチングの一番基本になる接し方は「認める(承認)」
コーチングは近年、スポーツだけでなく、ビジネスの目標達成や個人の願望実現など様々な場面で活用されています。
そして、コーチングは子育てにも効くといわれており、コーチングのスキルを使った育児本、子育てセミナーなどが多数展開されています。
コーチングで一番基本になる接し方は「認める(承認)」です。
「認める」の意味は「見て、留める」、英語では「アクノレッジメント(Acknowledgement)」といい、「そこにいることに気づく」ということが語源です。
この「認める(承認)」が子育てに非常に役に立つんです!
「認める(承認)」にはいくつか種類があるので今回は3つに分けて紹介します。
①結果承認
好ましい結果に対して、よい評価をすること。いわゆる「ほめる」事です。
例)100点のテストについて、「すごいね!よくやったね!」と伝えること。
②存在承認
文字通り、相手の存在そのものを認めていることが伝わる行為です。
例)相手の名前を呼ぶ 挨拶をする 目を見て話す 誕生日を覚えている など
③事実(行為)承認
その人についての事実、している行為について、目に留めて伝えること。
事実や行為について言葉にして、伝えるだけでOK。
「すごいね」「がんばってるね」「よくできたね」など、ほめる言葉を付け足さなくていいんです。
例)「お野菜食べてるね~」「つみきで遊んでるんだね~」「一人で靴はけたね」「トイレ教えてくれたね」
「認める(承認)」はカンタンに、しかもいつでもできる!
存在承認、事実承認については、ほめることが見つからなくても、いつでもできるんです。
いつでもできる存在承認
普段の生活の中で、お子さんの名前を呼んで、目を見てあいさつしていますか?
あいさつが大事なことはわかっていても、なかなか実行するのは難しいもの。
「たろう、おはよう!」
「けんた、いってらっしゃい!」
「はなこ、おやすみ~」
一日に何回もできるあいさつで、子どもは自分の存在を認められたと感じ、親に対する信頼感がアップします。
いつでもできる事実承認
ただ事実や行動を目に留めて伝えることだけですが、カンタンな割にこれが大きな効果が出るんです。
大人でも、髪の毛を切ったとき「髪切ったんですね」と声をかけれたり、出社して「今日のネクタイ、青色なんですね」と言われたりしたら、ハッとしますよね!
「似合ってますね」「すてきですね」など高く評価する言葉がなくても、「この人は自分のことを見ていてくれている」とうれしい気持ちになります。
子どもにとっても同じなんです。
「起きてきたんだね~」「おはよう言えたね」「ごはん半分食べれたね~」
「つみきで遊んでるんだね」「おもちゃいっぱい出したね~」
「靴はけたね」「トイレ教えてくれたね」
などなど、子どもの行動を見て、留めて、伝えるだけで、親は私に対して関心を持ってくれているんだ、と自己肯定感がアップします。
叱る前に「認める(承認)」のシャワーを
わが家でも「どうしてこんなことになるの!」「また忘れ物?!」というような、ついつい叱りたくなる“事件”が、子ども3人から次々とおきます。
そんな時には、まず「認める(承認)」は足りていたかなと振り返り、できるところからいつでもできる「認める」をすることにしています。
「認める」を心がけると、子どもの自己肯定感がアップし、親との信頼関係が育まれます。そして、自然と子どもを叱ることが減っていきますよ。
今日から簡単にできる「認める(承認)」ぜひやってみてくださいね!
まとめ
- ほめるのが大事だとわかっていても難しいと感じている人に伝えたいのが「認める(承認)」ことです
- コーチングの一番の基本であり、子育てにも役立つ接し方が「認める(承認)」です
- 「認める(承認)」はいつでもできて、さらに子どもの自己肯定感もアップします。具体的には「あいさつ」、そして「起きてきたんだね~」「おはよう言えたね」など子どもの行動に関心を持ち、見て、留めて、伝えることです
- 「認める」を心がけると、自然と叱ることが減っていきます
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