1月は新年会で集まる機会が多くありました。そんな時、みんなが参加できるクイズやゲームをすると、盛り上がりますね。
今年は、親戚の新年会で「バナナサンド あたまおしりゲーム」をしました。
歌いながら、頭の文字と、お尻の文字を聞き、その間に文字を入れて、当てはまる言葉をつくる遊びです。間に入れた文字数が多い人が高得点になります。
どんな言葉ができるのか、それぞれの仕事環境や、好みなどが表れて、面白かったですよ。
実は、古典『徒然草』からも、今を生きる私たちに、クイズが出されているようです。その一段を木村耕一さんの意訳でどうぞ。
『徒然草』が投げかける世界一の難問
──木村さん、『徒然草』は、どんな古典でしょうか?
古典『徒然草』は、約700年前の兼好さんが書いたエッセー集です。
四季の移り変わりや、笑える話など、心を引きつける内容が多く、江戸時代からベストセラーになっています。
──江戸時代の人も、親しんでいた古典なのですね。
実は、そんな『徒然草』の中に世界一の難問が記されていることに、お気づきでしょうか。
──えっ? どんな難問でしょうか。
「この問題にハッキリ答えが出たら、あなたは、必ず人生の目的を達成して幸せになれますよ」と投げかけています。
──それは知りたいです。
では、その一つ『徒然草』第38段を意訳してみましょう。
財産や名誉が増えると、幸せになれると思いますか 第38段
【意訳】
名誉と利益を求める心に振り回され、心が休まる時もなく、一生涯、苦しみ続けるのは、実に愚かなことです。
財産が多いと幸福になれるでしょうか。
実際はその反対で、よけいに苦しみが増えていきます。
なぜなら、財宝は盗難などの災いを招き、面倒な争いを引き起こす原因となるからです。たとえ自分の死後に、北斗七星に届くくらいの黄金を残しても、子孫は決して幸せになれないでしょう。
では、名誉を手にすれば、幸福になれるでしょうか。
名誉を求める心は、人から「よく思われたい」「褒められたい」という気持ちです。ところが、褒めてくれた人も、それを聞いた人も、それほど長く、この世に残っていません。
悪口を言われたら「悔しい」「恥ずかしい」と思いますが、言った人も、それを聞いた人も、すぐに死んでいきますから、気にしなくていいのです。
自分が褒められると自慢したい気持ちが出てきます。もっと多くの人に、自分の値打ちを認めてほしいと思います。しかし、すぐに死んでいく人に褒められたとしても、ほんのちょっとの間のことですから、たいしたことないじゃありませんか。
それよりも、褒められたことが原因となって、周囲から悪口を言われたり、ねたまれたりすることがありますので、よくよく気をつけなければなりません。
(『月刊なぜ生きる』令和6年2月号「『人生の目的』を考えるヒント」 より 木村耕一 イラスト 黒澤葵)
古典に学びたい
木村耕一さん、ありがとうございました。
お金持ちになれたら、人から褒められて注目されたら、幸せになれるように思っていました。
兼好さんの言われるとおり、そうなったとしても、盗まれたり、悪口言われたり、ねたまれたりするものだなと痛感します。
人生の目的は、財産や名誉ではない、別のところにありそうです。古典のヒントに学びたいと思いました。
『月刊なぜ生きる』2月号に「『人生の目的』を考えるヒント」を掲載!
今回、ご紹介しました「『人生の目的』を考えるヒント」は、『月刊なぜ生きる』2月号に掲載しています。木村耕一さんが『徒然草』から選んだ5つのエッセーを収録。
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幅広い世代で「人生の目的」がブームに
今、幅広い世代で、「人生の目的」がブームになっています。
生きづらい世の中で、自分の人生の意味を考える人が増えているようです。
令和5年7月に発刊した『人生の目的』には、「幸福になることが、人間に生まれた目的なのだよ」というブッダのメッセージが明らかにされています。そのメッセージに励まされた読者の皆さまから、4000通もの愛読者カードが届いています(令和6年1月時点)。皆さまからの声は、とても励みになっております。ありがとうございます。
その一部をご紹介しましょう。
先が見えぬ不安の中、ささいなことで傷つき、命を投げ出したいとさえ思っていた時、この本に出合い、生きる意味を見出しました。生きづらい世の中を、一生懸命、生きる若者に、ぜひ読んでほしいと思います。
(熊本県 29歳・女性)
1行1行に、うなずけました。まさに、私の心に「ぐさり」と剣が刺さった感じです。すべてに納得がいき、私が、変わろうとしています。
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まるで絵本のように読みやすく、挿絵と文章に引き込まれました。私の人生は、苦しみの連続でしたが、「ムダなことは一つもなかったのだよ」と励ましてもらい、生きる力がわいてきました。
(福井県 60代・女性)
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