前回の記事では「本の選び方」についてご紹介しました。
前回の記事はこちら
今回は読書感想文を書くのがグッと簡単になる「本の読み方」、そして「書き方」についてです。
“心地がいい読書環境”をつくる
「わたし、読書が苦手で、本を読み始めても必ず途中で挫折しちゃう…」
そういう人は、ぜひ「本を読みやすい環境」を整えましょう。
では、どのような環境が読書に適切なのでしょうか?
これは、人それぞれです。
アナタにとって心地いい読書環境を、自分で見つけましょう。
朝の涼しい時間に読むのが好きな人。
夜、寝る前に、布団の中で読むのが好きな人。
シーンと静かな所で、長編作品を一気に初めから終わりまで読むのが好きな人。
電車に揺られながら、ちびちび読んで、「あー、続きが気になるなぁ」と、続きの展開を想像しながら、少しずつ読むのが好きな人。
また、案外、「ガヤガヤしている所で読むほうが好き」という人もあるでしょう。
読書スタイルは、人それぞれ。
形だけを人真似するのではなく、アナタが一番心地よく本を読めるスタイルで、読書を楽しんでください。
“便利アイテム”を使いながら読む
「わたしは、本を読むのは好き。でも、感想文を書くのは苦手」という人もあるでしょう。
そんな人でも、スムーズに感想文を書けるようになるには、どうすれば良いのか?
3つの便利アイテムを紹介します。
「本を読み始める前」に、ぜひ、このようなアイテムを手元に用意しましょう。
便利アイテム① 付箋紙(色を何色か用意すると、さらに便利)
便利アイテム② メモ紙(ノートでもルーズリーフでも、何でもOK)
まずメモ紙に、次のように書きましょう。
- いつ
- どこで
- 誰が
- 何を
- なぜ
- どのように
いわゆる「5W、1H」と呼ばれる6項目ですね。
さらにその隣に、次のように書きましょう。
- 共感したところ
- 賛成できなかったところ
こちらは、「感想」の部分ですね。
さあこれで、「本を読み始める前」の準備は、以上です。
いよいよ、本を読んでいきましょう!
読みながら、「5W、1H」に当てはまるところを発見したら、そのページに付箋紙をどんどん貼っていきましょう。
そして、メモ紙に「5W、1H」の内容をどんどん書き込んでいきましょう。
また、
「おおっ、この部分、好きやなぁ!」と共感したところや、「うーん、ここは、なんか違和感があるなぁ」と感じたところがあれば、そのページにも付箋紙を貼り、その内容もメモ紙に書き込んでいきます。
付箋紙の色が何色かあれば、たとえば
- 「5W、1H」の部分→黄色の付箋紙
- 共感したところ→青色の付箋紙
- 賛成できなかったところ→赤色の付箋紙
というふうに色分けしておくと、後で見返しやすいですね。
もちろん、上記のこと以外でも、たとえば
- 登場人物の名前や特徴
- 出てきた地名
- 大事そうなキーワード
なども、メモ紙にどんどん書き留めておくと良いです。
特に、長編小説や、複雑なトリックの推理小説などを読む時にありがちなのが「登場人物が多すぎて、読んでるうちに、誰が誰やらわからなくなった」というケース。
最後まで読み終われずに挫折してしまう、お決まりのパターンですね。
そうならないようにするためにも、「メモをとりながら読んでいく」というのは、とても賢い読書のやり方です。
便利アイテム③ 地図や年表
架空の世界を描いたファンタジー作品でなく、現実の世界に関する本を読む場合。
地名がたくさん出てくるような本を読む時は、ぜひとも地図帳や地球儀を眺めながら読書をしましょう。
あるいは、歴史に関する本を読む時は、社会の教科書の年表のページを開きながら読書すると良いですね。
「土地勘」や「時代の流れ」を頭に入れながら読書をすると、本の内容の理解度が断然、違います。
反対意見も違和感も“遠慮なく”書く
さて、ここまでのところ、いかがだったでしょうか?
本を読み終えて、その本に付箋紙がピラピラとたくさん付いていて、メモ紙も書き込みでいっぱいになっているなら、もう、アナタの読書感想文は半分以上、完成したようなものです。
メモ紙に書き込んだ内容を文章化して、原稿用紙にどんどん書いていけば、それで立派な読書感想文が出来上がります。
「最初の書き出しをどう書けば良いか、わからないんですけど…」
という人は、まず、
「なぜ、その本を読もうと思ったか」という、いきさつや理由から書き始めると良いですね。
たとえば、
兄から、南極探検の本と、太宰治の小説『◯◯』をすすめられました。どちらの感想文を書こうか迷いましたが、私は冒険の話が好きなので、南極探検の本『△△』のほうを選びました。それに、本の表紙の絵がかっこよかったのも、この本を読みたくなった理由の一つです。
この本の物語は、1902年の××××の出来事の場面から始まります。主人公は東京の下町出身の▲▲という人で…
というふうに書き始めて、メモ紙に書き込んだ「5W、1H」の内容を、どんどん書いていきましょう。
そして、その本の中の、
- どんなところに共感したのか
- どうして共感したのか
を書いていきましょう。
また、「賛成できなかったところ」「違和感をおぼえたところ」も、遠慮なく書いていって大丈夫です。
「うーん、正直、この本あんまり面白くなかったなぁ。
でも、読書感想文って、『感動しました』とか書かなきゃいけないんだろうなぁ。
だけど、感動したところ無かったし…。
ハァ、どう書けば良いか、わかんない」
こんなふうに思って、なかなか書き進められない人も多いと思いますが、面白くなかった本を無理に褒める必要は、全く無いのです。
「私は、この物語の主人公の行動に、賛成できません。私がこの主人公の立場だったら、こういうふうにしたいです。」
というように批判的なコメントを書くのも、立派な感想文です。
ぜひ、アナタの意見を、堂々と書きましょう。
読書感想文を書いて、一生役立つ力をつけよう
以上、いかがでしたか?
読書感想文を書くことは、
- 情報を整理する
- 自分の意見をまとめる
- 「整理した情報」と「自分の意見」を、文章化して表現する
という力を身につけるための、とても良いトレーニングです。
この力は、大人になっても非常に活かされる、一生役立つ力です。
ぜひステキな本と出会って、その本を人にも紹介してあげてくださいね!
補足ヒント集
今年の作品の保管が、来年以降に役に立つ
今回書きあげた読書感想文やメモ紙は、ぜひ来年以降のために、コピーするなり写真を撮っておくなりして、保存しておきましょう。
必ず、未来のアナタを助けてくれる重要参考資料となります。
中には「中学三年間、毎年、同じ本について感想文を書いた」という人もいるほどです。
同じ本でも、一年前に読んだ時の感想と、今の感想とでは必ず違います。それはそのまま、アナタの精神的成長の足跡でもあるのです。
ぶ厚い本を読むのが苦手な人へ
「ぶ厚い本を読むのは、どうしても苦手…」という人は、ぜひ「短編集」を選びましょう。
中学生や高校生ぐらいでしたら、有名どころでは芥川龍之介の作品や、夏目漱石の『夢十夜』などの短編集がオススメです。
また、星新一さんなどに代表される「ショートショート」と呼ばれる超短編もオススメです。