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【4】お坊さんの一番大事な仕事は、お葬式と法事?

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お坊さんの本当に大事なお仕事は、
仏(釈迦)の教えを伝えることだニャ!

 

【解説】僧侶の仕事は〝本当の幸せになれる道〟を説くこと

一般に、多くの人が僧侶と接するのは、親戚や知人、友人など、自分と近しい人が亡くなった時でしょう。

セレモニーホールで行われる葬儀に参列した時、法衣に袈裟姿のお坊さんを初めて間近で見たという方も多いかもしれません。

また、親族の年忌法要に列席した際にも、やはり目にするのは、いい声で読経するお坊さんの姿でしょう。

このようなことから、お坊さんの仕事は、葬式や法事などの儀式だと思うのも無理はありません。

しかし、第2回で、お伝えしたように、お経は釈迦の講演録です。死者の供養のために説かれたお経は一巻もありません。

すべて生きている人に、生きている時に、幸福になれる道を説かれたものです。

ですから、僧侶の仕事は、そのお経に何が説かれているのかを、誰にでも分かるように説法することなのです。

お釈迦さまの時代に、僧侶の仕事について、こんな話があったと伝えられています。

 ある日、釈迦が、お弟子たちを連れて湖畔を通りかかられると、大勢の農夫が仕事を終えて食事にとりかかっていました。

 

 釈迦が彼らの前に立たれると、その中の頭らしい一人の男が、

 

「あんたはいつも、そんな大勢の働き盛りの若者たちを連れて、ブラブラ乞食したり、訳の分からぬ説教などして歩かないで、田畑を耕して一粒の米でも一本の野菜でも生産したらどうです」

と、からかうように言いました。

 

 その時、釈迦は、従容として答えられています。

 

「私もまた、田畑を耕し種を蒔き、実りを刈りとっている労働者です」

 

「ではあなたは、どこに田畑を持ち、どこに牛を持ち、どこに種を蒔いておられるのか」

と反問してくる農夫に、釈迦は、

 

「私は、忍辱という牛と、精進という鋤を持って、人々の心田を耕して真の幸福になる種を蒔いている」

 

 毅然としておっしゃっています。

このエピソードからも分かるように、仏法を正しく、誰にでも分かりやすく伝え、人々の心に幸せの種を蒔いていくことが、僧侶の大切な仕事だということです。

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