映画「親鸞 人生の目的」感想特集 #1

  1. 人生

生きる意味とは? 精神科医として、何度も問い続けられてきた人生への疑問

映画「親鸞 人生の目的」レビュー

精神科医 明橋大二
⭐⭐⭐⭐⭐

この映画の中で、忘れられないシーンがある。

一人の女性が、突然の肉親の死に耐えきれず、雨の中、家を飛び出し、行方が分からなくなる。

ようやく見つかった場所は、橋の上。思い詰めた表情で濁流を見つめるその人に、親鸞聖人が声をかけると、彼女は涙を流しながらこう問いかける。

「私には、生きている意味が分からなくなりました」。

人は、生きることに絶望した時、生きる意味を問わずにおれなくなる。

この問いは、私が精神科医として、何十回、何百回と、問い続けられてきた問いであり、私自身が抱え続けてきた問いでもある。

仏の教え、仏教と聞くと、多くの人は、葬式法事の時だけに用事があるものと思っている。インバウンドでは多くの外国人が来日し、こぞって日本の寺社を訪ね、その空気に触れようとする。

しかしでは、仏教は何を教えたものか、語れる人がどれだけあるだろうか。

生きることに悩み苦しむ現代の人々に、解決の道を示す

だがこの映画は、その仏の教えが、今を生きる人々の苦しみに直結し、その解決への道を指し示していることを教えてくれる。

8歳にして、生きる支えとしてきた母を亡くし、次は自分の番、死んだらいったいどこへ行くのかと悩む親鸞聖人。

親の決めた枠組みの中でしか生きられない生活に何の喜びも見出せない人。

貧困の中、栄養失調で亡くなる家族を助けられず、罪悪感に苛まれ続ける人。

それらの姿は、八百年の時を超えて、生きることに悩み苦しむ現代の人々と、まるで生き写しのようである。

そういった人々が、法然上人の説く、既存仏教の常識を打ち破る、驚くべき仏の教えによって救われていく。

人は煩悩あるがままで救われること。老若男女貧富身分の差なく、すべての人が平等に救われること。

一度見ただけではすべてを理解することは困難かもしれない。

しかしここには、「私たちは何のために生きるのか」「本当の幸せとは何か」という、古今東西、すべての人々の根源的な問いへの答えが描かれていると思えてならない。

多くの人に見ていただきたい映画である。

壮大な歴史エンターテインメント!映画「親鸞 人生の目的」

世界的名著『歎異抄(たんにしょう)』を生み出した親鸞が、苦悩のすえ辿りついた、「人生の目的」とは。

大ヒット歴史アニメシリーズ最新作「親鸞 人生の目的」を、ぜひこの機会にお楽しみいただけたらと思います。

劇場へは、映画公式サイトの全国の上映館情報をご確認ください🎬

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「親鸞 人生の目的」映画製作委員会