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【医師が教える】昼食後の強烈な眠気の乗り切り方~今日からできる3つの対策~

お昼に強烈な眠気に襲われ、眠気をおさえるのに苦労することは、よくあると思います。

特に大事な試験や会議では絶対に避けたい。

そんな午後の眠気の原因と、今から実行できる対策を、精神科医の先生から紹介いただきました。

(1万年堂ライフ編集部より)

「午後の最初の授業は、いつも重だるい睡魔との戦い」

「試験で頑張らないといけないのに、まぶたが重くて集中できない」

「せっかく参加したセミナーなのに、気づいたら後半になっていた」

など、失敗経験がある人は少なくないと思います。

エナジードリンクを飲んだり、ガムをかんだり、身体をつねったりと、さまざまな対策法がありますが、これらの方法だけでは乗り越えがたい眠気もあります。

近年、午後の眠気の原因について、いくつか有力な説が見つかり、その対処法・解消法も提案されています

お悩みの方は、今日から実践してみてはいかがでしょうか。

午後の眠気の3つの原因

午後の眠気の原因は、大きく3つです。

眠気の原因① 血糖値の乱高下(急激な血糖上昇の反動で、一時的に低血糖になると眠くなる)

日中疲れやすい
ボーっとしてしまう
感情の起伏が大きい
朝なかなか起きられない

などの症状がある方で、昼間の眠気が強い場合は、一度、食生活を見直す必要があるかもしれません

炭水化物や甘いもの(お菓子やジュースなど)が多い食生活だと、糖尿病とまではいかなくとも、血糖値の調整がうまくいかず、食後に血糖値が急上昇し、血糖値を下げるインスリンが過剰に働くことで、血糖値が下がりすぎることがあります

隠れ低血糖」とも言われ、上記のような症状が現れることがあります。

眠気の原因② 自然なリズムによる眠気(そもそも14時頃は眠くなる)

私たちの体には、概日リズム(サーカディアンリズム)、いわゆる「体内時計」が働いています。これによって、覚醒-睡眠のリズムが調整されています(2017年にノーベル医学生理学賞を受賞したことでも話題になりました)。

そのため「ある程度の午後の眠気」は、ある意味では健康な証拠といえるかもしれません。

眠気の原因③ 疲れ、寝不足(日ごろからの対策を)

最近、慢性的な睡眠不足のことを「睡眠負債」といわれ、2017年流行語大賞にも選ばれました。

短期的には日中のだるさや眠気に悩まされ、長期的な負債は、認知症などの脳の機能障害や、免疫力の低下により風邪やガンなどの病気のリスクを上げてしまいます

忙しいと、何かと睡眠時間を削りがちですが、活動と休養は表裏一体です。
昼間の眠気が強い場合は、まずは夜の睡眠を見直してみましょう。

 

眠気が関係した交通事故が多い時間帯も、昼間の2~4時と、夜中の2~4時といわれます。

昼間の眠気は、日中の活動効率から、いのちの安全にも関係してくる問題です。

「気合い」だけで対処しようと思わず、具体的にできる対策があることを知っていただければと思います。

以上の3つを踏まえ、今日からできる3つの対策をご紹介いたします。

午後の眠気の3つの対策

眠気対策① 昼食をひと工夫する ~血糖値の乱高下を防ぐ~

昼食後の強烈な眠気の大きな要因として、血糖値の乱高下があるとお話ししました。

そのため、血糖をあげてしまう食べ物はなるべく避けたほうが眠気が来ません。

具体的には「炭水化物を減らす」ことです(いわゆる糖質制限)。

炭水化物とは、「糖質+食物繊維」で、米飯やパン、麺、イモ類は血糖値をあげます。
ですので、丼もの、ラーメン、菓子パンなどの単品料理よりも、定食のほうがおススメです

血糖値に影響しにくい食べ物は、いわゆる「おかず」です。野菜やタンパク質(肉、魚、卵、豆類、チーズなど)ですね。

これらを腹八分、あるいはちょっと足りないくらい食べるのが、午後の集中力のためにはちょうどいいかもしれません。

とはいえ、炭水化物をゼロにすることには抵抗がある方も少なくないと思います。
その場合は、「食べる順番」がポイントです

まず野菜や肉などから食べて、炭水化物は最後に食べるようにすると、血糖値の上昇がゆっくりになり、食後に眠くなりにくくなります

懐石料理やコース料理を食べるイメージですね。

炭水化物を抜いても、たんぱく質をしっかり食べれば、意外とお腹は減りません
私は「ゆで卵」を昼に食べるようにしてからは、米飯なしでも夜まで大丈夫です。

どうしてもお腹がすいたときのおススメのおやつは、ナッツ類です。

眠気対策② 可能ならば昼寝をする

15時より前の、30分以内の昼寝は健康に良いといわれます。

ヨーロッパでは「シェスタ」として昼寝の時間を大切にしています。

ポイントは「浅く眠る」ことです(5分、10分でも効果あり)

1時間以上、ぐっすり寝てしまうと、かえって起きたときに疲れてしまいます。
そのため、昼寝をするときには以下のことをするのが効果的です。

  • 「○分後に起きる」と決めて寝る(タイマーもセットする)
  • コーヒーを飲んでから寝る(ブラックが有効。微糖も含め、砂糖入りは避ける)

※コーヒーはホットなら30分後、アイスなら1時間後から効果が出てくるといわれます。眠気覚ましの効果は一般的に約2時間ほどです。

応用編:目を閉じて静かに呼吸する(1分~3分)

姿勢を正して、深くゆっくり呼吸しましょう。

  1. 何かを考えようとせず、体の動き(呼吸orお腹の動き)に意識を向ける
  2. 背中が丸まらないよう、骨盤を立てて(腰を入れて)、かるく胸を張り、顎を下げない(背中が丸まると、呼吸が浅くなります)
  3. 吸う息は、鼻から、背中の下の奥まで入っていくのをイメージする
  4. 吐く息は、口をかるくすぼめて、ゆっくり、お腹がへこんでいくのを意識する

呼吸は、ゆっくりであればあるほど、リラックスできている証拠です。

興味のある方は「マインドフルネス*」についても調べてみてください。

*マインドフルネスとは「“今ここ”にただ集中している心のあり方」で、そういったストレスの少ない状態を、呼吸法や瞑想で目指すプロセスのことです。

眠気対策③ 身体に刺激を

簡単な筋トレ、ゆっくりスクワットをするなど、身体に刺激を与えることも有効です
ポイントは、力が入っている筋肉に意識を向けることです。

また、首や肩・肩甲骨のストレッチ、洗顔、歯磨き、日光を浴びる、なども身体へのいい刺激になります。

まとめ

睡眠や眠気は、心と身体、両方の影響を受けやすいため、両面からのアプローチが有効です。

特に食事は、毎日ではなく「いざというとき」だけでも実践されてはいかがでしょうか。

午後の授業が始まる前、大事な試験の前など、
心を静めたいときは、呼吸を整えると気持ちも落ち着きやすくなります。

ぜひお試しください。

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