ソシャゲ依存。
最近のテレビCMでもよく見たり、電車に乗ったときには、スマホでプレイしている人をたくさん見ますよね。
中には勉強どころか、食べること寝ることよりも優先させて、ソーシャルゲームにはまり込んでいる人までいます。
社会現象を起こしているソシャゲを見て、「自分の子どもは大丈夫か」と不安に思っている親御さんは多いようです。
もし、あなたがソシャゲにハマる子どものスマホを解約してしまおうと思っていたとしたら、まずこの記事をお読みください。
悩み:中学生の息子が、ソシャゲ依存かどうか不安
中学2年の息子が、スマホのソーシャルゲームにはまり込んでいます。
学校が終わって家に帰ってからずっと、食事を終えた後もスマホをいじっています。
どうも寝る時間も削ってソーシャルゲームをしているようです。
これはいわゆる「ソシャゲ依存」なのでしょうか?将来が不安でなりません。。
無理やりでもスマホを解約させるべきでしょうか。
(40代 主婦の方より)
強制的なやめさせ方は逆効果なことも
子どもだけではなく、多くの大人もハマってしまうほど、はやっている「ソシャゲ」ことソーシャルゲーム。
プレステやDSなどの専用ゲーム端末を買わなくても、スマホやパソコンでできるのが、ソーシャルゲームです。
その手軽さから、小さい子どもから、大人まで幅広い年齢層で話題になっています。
いただいたお悩みのような状況だと、学校の成績にも影響しているんじゃないかと不安になるのはよく分かります。
もし自分のお小遣い以上の課金をしている、学校にも行かず毎日ずっとソシャゲをしているとすれば、それは生活や健康に大きく支障をきたすレベルの重度のソシャゲ依存症です。
その場合は、医療機関での受診が必要です。
しかし、そこまでいかない段階で「ソシャゲ依存」と決めつけてしまうのは、子どもがかわいそうです。
最近のソーシャルゲームは非常によくできています。親の世代のテレビゲーム以上のことが、スマホでできる時代です。
ネットにつながって、離れている友だちとも遊ぶことができるわけですから、楽しいに決まっています。
そしてテレビでも、ネットでも、学校でも、面白いソーシャルゲームの紹介がされているわけですから、始めるきっかけも多いことでしょう。
友だちとのつき合い上、話題としてソシャゲをしていないといけない、そんなことも十分あります。
そんなときに「子どもがソーシャルゲームにはまった!やめさせよう!」と、スマホを没収・解約したり、強制的にアプリのデータを消したりといった強硬策をついとりがちです。
しかし、これらの行動は最終手段と考えるべきです。
あなたがもし昔テレビゲームをしていたなら記憶にあるかもしれません。
「1日1時間」ルールにもかかわらず、1時間を過ぎてしまい、その直後に親から電源を強制的に抜かれたことはありませんでしたか?
そのときどういう気持だったでしょうか。「たしかに1時間過ぎていたから、しかたないね」とはならなかったはずです(笑)。
怒り狂って悪態をついた後、親に隠れたところでゲームをしていたのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。
こういった強制的な止め方は、根本的な解決にはなりません。
むしろ強制的にやめさせられたことにより、さらにゲームがやりたくなります。見える場でやらなくなるだけで、隠れてやることになります。
部屋でこっそり、友だちに借りてこっそり。そうすると事態がより見えにくくなり、深刻化してしまいます。
寛容な方法で、依存を予防する方法を考えていきましょう。
大事なのはゲームを通じて信頼関係を築くこと
ここで大事にしたいのは、親子間の信頼関係です。
強制的にゲームを断つのはたやすいことですが、子どもの親への信頼関係を確実に損ねます。
なぜなら、そこには相手への理解、そしてコミュニケーションがないからです。
子どもへの信頼がないことを、行動で示してしまうことになります。
そこで失った信頼関係の回復には時間がかかってしまいます。
もちろん親は親心でやっているんだと言いたいのですが、子どもからはそうは見えません。
必要以上に心配してしまう気持ちはよく分かりますが、ここはグッと心を落ち着けて、コミュニケーションすることから始めましょう。
人気のあるソシャゲは、子ども(大人も)をそのゲームの世界観に引き込む力を持っています。
ワクワクさせるストーリーや、カッコイイ可愛いキャラクターなどに囲まれ、ゲームをしている間は、その世界に子どもはいます。それが非常に居心地がいいのです。
そんな世界にどっぷりつかっている子どもですから、無理やり引き離そうとすると、反発されてしまいます。
居心地のいい場所から切り離されるわけですから、怒るのも無理はありません。
相手の世界にいさせたまま、現実に目を向けてもらうには、こちらが相手の世界に歩み寄る必要があります。
そこでゲームをきっかけにコミュニケーションすることを試してみましょう。
ゲームを認めることが結果的に現実に戻す一歩に
どうコミュニケーションするのか、それはそのゲームのどこが好きなのか、何が面白いのかを教えてもらうことです。
否定するのではなく、まず認める、理解するスタンスが大事です。これが信頼を築き上げるときに大事な心がけです。
子どもに限らず人は、自分が好きなことに興味を持ってもらうことに悪い気はしません。むしろ、気持ちよく感じるものです。
ハマっているゲームであれば、なおさら熱く語ってくれることでしょう。
怒りたくなる気持ちはグッとこらえ、相手の嬉々とする語りをひたすら聞いてあげましょう。否定的なことを言ってはなりません。
何でしたら一緒にプレイして、やり方を教えてもらうこともとても有効です。(ミイラ取りがミイラになってはいけませんけども…)。
このコミュニケーションは、相手はゲームの世界にいるのと同時に、親とコミュニケーションをすることで現実に対しても目を向ける状態になっています。
このコミュニケーションを継続していると、次第に罪悪感が芽生えて、行動に変化が起きてくるはずです。
少なくともさらに隠れてゲームをすることにはなりにくいので、状況がより見えてきます。
すると、子ども側が勝手に飽き始め、現実に目を向けてきます。そんなタイミングを見計らいながら、ソシャゲをすることでできなくなっている勉強時間のことなどを切り出しましょう。
頭ごなしに否定するのはいけません。まずゲームを認めることで、信頼関係を得る、という逆説的な方法をとってみることをおすすめします。
過剰なガチャ課金、重度の場合は医療機関へ
ITリテラシーの観点では、ソーシャルゲームはあくまでも手段にすぎません。
だから必ずしも悪いものと安易に決めつけるものではありません。実際素晴らしいゲームも多いからこそ、これだけはやっているわけです。
ソシャゲからコミュニケーションが生まれ、信頼関係を築けたのであれば、それは良いものです。
ソシャゲをうまく活用することで、良好な親子関係を築きましょう。
ただし、今回の対処法は軽度な場合です。異常なまでに課金がなされている、また起きてから寝るまでの時間すべて、ゲームをしている状態は、重度の依存症です。しかるべき医療機関にて診察を受けてください。
しかし軽度を重度と見間違い、過剰な行動に出るのも子どもを傷つけてしまいます。
よく子どもを観察し、コミュニケーションをとったうえで、しかるべき対処をしてもらえたらと思います。
それでは、子どもと一緒に、よいソシャゲとの向き合い方をしてください。