まずは敵を知ること。今年はどれだけ飛ぶ?
今年のスギ花粉は、例年(過去10年の平均)の飛散数と比べてやや少なめと予想されています。
(2020年春の花粉飛散予測(第2報) – 日本気象協会 tenki.jp より引用)
春に飛ぶ花粉の量は、前年の夏(7〜8月)の日照時間や最高気温で決まるといわれています。
この時期は、スギの雄花(花芽)が成長し始める時期なのです。この時の気象条件によって、雄花の産生量が大きく変わってきます。
昨年の夏は、例年に比べて梅雨が長引いて豪雨も多く、日照時間が少なかったため、今年の花粉量は少なくなるのです。
しかし、北日本の一部では例年より多く、昨年の飛散量を上回る見込みです。
(2020年春の花粉飛散予測(第2報) – 日本気象協会 tenki.jp より引用)
多くの地方では、昨年よりは今年のほうが症状が軽くすむでしょう。
それでも花粉が飛ぶ限り、症状は出ますので、油断せずしっかり準備をしましょう。
スギ花粉が多く飛ぶのは、どんな天気の日?
最近は花粉症のよい薬がたくさん出てきています。
薬も大事ですが、まず大事なのは花粉にさらされないように防御することです。
花粉はどんな時に多く飛ぶのか、よく知って、対策を立てていただきたいと思います。
スギ花粉が多く飛ぶのは、前日に雨が降った、風の強い晴天の日です。
スギは、気温が高くなると花が咲いて花粉をたくさん飛ばします。
また、空気が乾燥すると花粉は舞いやすく、さらに風が強ければ広い範囲に飛んでいきます。
したがって、気温が高くなると同時に、湿度が低くなった日が最も危険なのです。
夜遅くや明け方に雨がやむと、翌日に気温が上昇し湿度が下がることがありますが、このような日は花粉が猛威を振るう可能性が高いです。
また、強風の日は、地面に吸収されなかった前日までに飛んだ花粉も舞い上がるため、大量の飛散となります。
スギ花粉が多く飛ぶ時間帯
では、「花粉が飛びやすい時間帯」はあるのでしょうか。
地域や天候によって異なりますが、11時〜15時頃と、17時〜20時頃にスギ花粉は多く飛ぶといわれています。
一般的には、お昼前後と、日没前後に多くなるというデータがあります。
午前中、気温が上がると、スギ林から花粉が飛びはじめます。その数時間後に都市部に到達するため、まずお昼前後にピークを迎えます。
さらに、上空を舞っていた花粉が夕方になると地上に落下してきます。それが第2のピークです。
外で仕事をしている人にとっては、出勤時間よりむしろ帰宅時間のほうが要注意といえそうです。
帰宅したら、玄関に入る前に、衣服や体から花粉を振り落とすことも大事です。
スギだけではない春の花粉症
スギ花粉症の8割の人は、ヒノキ花粉症にもなっているといわれています。スギの花粉とヒノキの花粉は同じような形をしているからです。
ヒノキの花粉飛散は東日本よりも西日本に多い傾向がありますが、最近は東日本でもヒノキ花粉飛散量が増えてきました。
スギ花粉は4月下旬には終息しますが、ヒノキは遅れて飛びます。
ゴールデンウイークになっても症状がある方は、ヒノキ花粉症の可能性が高いです。
スギの時期が終わったからと油断せず、対策に心がけましょう。
花粉を寄せ付けない方法、ワセリンの効果
花粉を寄せ付けないためにはマスクとゴーグルが必需品です。
マスクやゴーグルを使うことで、鼻や目に花粉が入ることをかなり防ぐことができます。
しかし、仕事上の制約があったり見た目が気になったりして、マスクやゴーグルができない人も多いと思います。
またマスクやゴーグルだけではもの足りず、もっと花粉をブロックしたいという人もいるかもしれません。
そんなあなたにお勧めなのは「ワセリン」です。
ドラッグストアで安価で購入できるワセリンは、軟膏薬の主成分になっているもので、皮膚の保湿剤としても用いられます。
そのワセリンを鼻の入り口や目の周りに塗ると、花粉がワセリンにくっついて、それ以上奥へ入りにくくなります。
またワセリンが花粉をコーティングして、アレルギー物質が出てこないようになります。
ワセリンは目や鼻の中に入っても安全ですし、見た目を気にせず花粉をブロックできる優れものです。
舌下免疫療法はシーズンオフに
最近注目されている舌下免疫療法は、スギ花粉症に対して効果のある治療ですが、花粉飛散シーズンには、治療を開始することができません。
6月から12月に治療を開始することが推奨されています。
こちらについては、以下の記事をごらんください。
花粉症の時期は本当に大変ですが、うまい花粉とのつきあい方を探すことで、比較的楽に過ごすことができます。
あなたのライフスタイルにあった花粉対策を、ぜひ探しだしてみてください。