これってアトピー?
どうしたら治るの?
何が原因なの?
ステロイド薬は怖い…。
毎日のように寄せられるアトピー性皮膚炎へのさまざまな疑問や不安に、皮膚科専門医の花川博義先生が分かりやすく答えられた書籍をご紹介します。
タイトルは、『あんしん健康ナビ アトピー性皮膚炎 ~どうすれば治る? 子どもも親も楽になる正しい治療法 良医・名医の見つけ方』。
『皮ふと健康 おトク情報』に続く、あんしん健康ナビシリーズの第2弾です。
多くの悩める親子を、完治まで導いてきたからこそ断言できる、「普通の治療でアトピーは治ります」とはどういうことでしょうか?
今回は、この本を執筆された熱い思いを「はじめに」からご紹介します。
(1万年堂ライフ編集部より)
アトピー性皮膚炎は普通の治療で完治できる
「謎多き皮膚病」。それがアトピー性皮膚炎です。発症に多くの要因が関与していることに加え、情報による混乱が謎に拍車をかけています。
情報化社会に伴い、診察風景も変わってきました。多くの患者さんが、病気について「予習」してきます。病名を告げると、「ちょっと待ってください、ググりますから」とスマホで検索をする若者もあります。
医学情報は身近になりましたが、アトピー性皮膚炎ほど、原因と治療についての諸説が入り乱れた病気はありません。
平成4年、テレビの特番が、標準の治療薬であるステロイド外用剤の副作用を強調し、「最後の最後に使う薬」と結論づけたことをきっかけに、医療不安が広がりました。
それを契機に、多くの企業がアトピービジネスを展開し、さまざまな情報が流されました。
原因は食べ物だ、水が悪い、シックハウスのせいだ、ステロイドを塗ったからだ、先祖のたたりだなど、さまざま。
治療についても、これを塗れば治る、これを飲めば治る、これを買えば治る、これを拝めば治ると、言いたい放題です。
「情報の氾濫で、頭が混乱♪ 訳が分からん、もう知らん♪」(ラップ調で)
ネットや本で調べれば調べるほど、分からなくなる病気。それがアトピー性皮膚炎です。
混乱の原因を考えてみますに、標準治療が知られていない、いや発信が少ないからではないかと思います。「アトピー性皮膚炎」で検索すると、その情報の偏りに驚かされます。
当たり前の情報があまりにも少なく、奇をてらう記事があまりにも多い。地道な標準治療より、一発逆転ホームランをうたった特殊治療が目立ちます。
例外の誇張も気になります。「消防士が火を消した」は、話題性がなく、「消防士が放火をした」がニュースになります。「薬で病気が治った」より、「薬の副作用でひどくなった」が興味を引くでしょう。
スキャンダルを好むのが人の常ですが、まれなケースばかりが強調されると、いらぬ不安と不審を抱いてしまいます。
混乱をきたしている今だからこそ、「普通の治療でアトピーが治ります」と、当たり前のことをお伝えしたく筆を執りました。
この本が、「謎多き皮膚病」のナビゲーションとなればうれしく思います。
特別に目次を一挙ご紹介!
『あんしん健康ナビ アトピー性皮膚炎』には、こんな内容が紹介されています。知りたかった悩み解決のための正しい知識が盛りだくさんです!
1章 アトピー性皮膚炎を取り巻くナゾ
- アトピーはかゆみとの闘い ~皮膚炎が、さらなるかゆみを引き起こす
- これってアトピー? 「あせも」「小児湿疹」と診断されることも
- アレルギー検査をすれば、原因が分かるのでしょうか
- 治療のヒントは「鼻」にあり。天然のアブラがお肌を守る
- 大発見! 遺伝子で解明された、皮膚の大事なバリア機能
- アレルギーマーチを予防するには、お肌の放任主義はいけません
- 塗り薬は先手必勝!「モグラたたき」ではよくありません
- 治らない理由は、「塗る量」が少ないのです
コラム 薬は少なくなると、効きめが弱くなる? - いつ発症して、いつ治るのか。見通しをつけておくと安心です
- 「治った」に二つある。まずは第一ゴールを目指しましょう
2章 ステロイドは怖い薬ですか?
- よくある誤解①「塗った所が黒くなる」 ~黒くなるのは、ステロイドのせいではありません
- よくある誤解②「使い始めるとやめられなくなる」 ~上手に使えばとても便利な薬です
- よくある誤解③「副作用が怖い」 ~怖くありません。「副作用かな」と思ったら、医師に相談を
- 「脱ステロイド」ではなく、「卒ステロイド」を目指しましょう
- 塗り分け不要。これ一本! 新薬「タクロリムス」の特徴と上手な使い方
コラム パパに薬を塗ってもらおう
3章 治療のあれこれ
- みんなの皮膚にすんでいるブドウ球菌の脅威 ~夏型アトピーには「1デイ2シャワー」
- 強さが同じでも効きめが違う ~塗り薬には相性があります
コラム ジェネリックと先発品の違い - 二千年の経験の集大成 漢方薬の上手な使い方
- 玉石混交。試してもいい民間療法の見分け方三つ
- 症状の悪化を防ぐ、凄ワザ、裏ワザ、隠しワザ
- アトピーの人がなりやすい目の病気 ~年に一度は眼科で検査を
- アトピーの人は、とびひ、みずいぼにもなりやすい
4章 良医・名医にかかるには
- 近所の医者に「しっかり」診てもらうためのポイントは?
- 良医でも、「持ち時間」が少なければ、力を発揮できません
- 皮膚のことは、やっぱり皮膚科。医者と病院選びのヒント
- 短い診療時間を最大限に活かすには ~医師に言いたいことを、あらかじめまとめておくとスムーズです
- あなたの良医・名医は案外近くにいるかもしれません
5章 アトピーっ子を持つ親の立ち位置
- タッチングケアの幸せな効能 ~薬を塗るのも親子の大切なスキンシップです
- 子どもを責めない、親も自分を責めない
- 親の役割は、ともに苦しむことではなく、子どもを支えること
- 子どもの訴えを受け止める。それだけで、子どもは癒やされるのです
- 親も子も、心が楽になる心の持ち方 「アナタはアナタ。私は私」
アトピーっ子と、その親御さんの気持ちに寄り添った温かいアドバイスの数々に、読み終えたあとは、きっと心が軽くなっているに違いありません。
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